ミクシィとガンホーを襲うスマホの"成熟化" ついに成熟化する市場、見えない次の稼ぎ頭
任天堂が象徴するのは、ゲーム業界においてIPの重要度が高まっている点だ。
IPとは、ゲームのタイトルやキャラクターなどを含めた知的財産のこと。伝統的なゲーム会社である任天堂の『マリオ』や『ゼルダ』、スクウェア・エニックスHDの『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』が代表例だ。
こうしたIPは知名度が高く、ゲームを投入すれば幅広いユーザーの獲得が見込める。実際、米ナイアンティックはポケモンというIPを活用したスマホゲームの『ポケモンGO』で記録的なダウンロード数をたたき出した。
スマホの次を開拓できるか
業界では自社が保有するIPを武器に、開発から運営まで一貫して手掛けるコナミHDやカプコンと、スマホアプリに強い会社と協業する任天堂やバンダイナムコHD、スクエニに分かれている。
特にバンダイナムコHDとコナミHDは、それぞれ2010年と2015年に行った組織再編が功を奏している。従来はタイトルやゲーム機器ごとに縦割りだった開発体制を、IPを中心に各機器に対応する体制に移行。IPをうまくスマホアプリに対応させたことで業績を拡大させている。
だが、有力IPの数には限りがあり、使い回しにも限界がある。そのため、各社はスマホの次に照準を合わせて開発を進めている。
ソニーは10月13日からVR(仮想現実)機能を備えた新型ゲーム機「プレイステーションVR」を投入。任天堂も2017年3月に「Nintendo Switch」(スイッチ)の発売を計画する。「任天堂とは数年前から(ゲームの開発に)一緒に取り組んできた。世界での販売に期待している」と、大下聡・バンダイナムコエンターテインメント社長は言う。
ただ、課金システムが確立され、驚異的な利益率をたたき出してきたスマホゲームに比べて、新しいハードでどう収益を上げるのか、手探りの段階だ。次の稼ぎ頭をどう育てるのか。各社は重い課題を抱えている。
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