毎朝4時退社で鬱病に!27歳男性の深刻事情 残業代も休憩もなく、時給換算すると658円

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富田さんはだいたい毎日昼ごろに出勤。そこから休憩なしで、仕事が終了するのは明け方4時過ぎである。帰宅できるのは朝方5時過ぎで、毎日仮眠程度の睡眠時間しか取れずに、出勤時間を迎える。翌日の下準備に時間がかかりそうな場合は、店に泊まり込むこともあるそうだ。

「最小限の人数……というか常に人手不足で店を回しているんです。僕は正社員で入りましたが、アルバイトの子はすぐに辞めちゃうので、負担は僕や数人の同僚に重くのしかかってしまい、それに耐えられず、大抵は数年で退職していきます。続くわけがないと今なら思いますが、当時は考える余裕なんてないですよ。毎日必死でした。生きることに……。

1日17時間(残業9時間)勤務、残業代は出ない

少しでも弱音を吐くと、待遇が良くなるどころか、上司から『嫌なら辞めてもらっても構わない』『仕事をしたいという代わりの奴はいくらでもいる』と言われていましたから、辞められないんです。だって社宅にいるし、そもそもおカネないと生活できなくなっちゃうし」

月給は、額面上28万円で固定されていた。つまり、何時間勤務しようが、残業代は決まった金額しか出ない仕組みである。そのため、一見給与はよさそうだが、労働時間には見合わない。

出勤すれば大抵、1日17時間(残業9時間)勤務する。その労働時間のまま、年末などの多い月では25日間勤務していた。17時間×25日=425時間。残業代は出ない。時給に換算すると658円しかなく、東京都の最低賃金888円(相談当時。2015年10月からは907円)を大きく下回る計算になる。

実は富田さんは現在、不眠症とうつ病を患っている。そのため、月に2回の精神科病院への通院を強いられている。原因は仕事にあった。2年ほど前から店の利益が減っていたため、上司から「顧客をなるべく集めるように! 宣伝や広報を寝る間も惜しんで考えるように!」と命じられ、与えられる営業ノルマが厳しくなったのだ。もちろん人手不足のため、富田さんの業務を助けてくれる仲間や同僚などいない。みんなそれぞれの持ち場で精一杯なのだ。

さらに新しい顧客の獲得を目指して、顧客の目を引くように新開発のメニューへの対応もさせられた。何度も居残りしては新しい商品開発に取り組み、目新しいメニューや独自性がある商品を生み出すことに力を注いでいた。

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