バーナンキ「出口戦略」の真相

髙橋洋一が斬る! FRBとアベノミクスの俗説

6月19日、アメリカでFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれ、FRB議長ベン・バーナンキの発言に世界中の注目が集まった。市場参加者の間では、米緩和策の「出口戦略」が早期化するのではないかという予測があるからだ。
また、この話題とも連動して、5月末から日本でも株価が急落、為替も一気に円高方向に戻した。これによって「アベノミクスはやはり頓挫するのではないか」というムードが一気に広がった。
「アメリカの出口戦略が始まると、アベノミクスはどうなるのか?」
「バーナンキの任期切れ以降、FRBは方針を変えるか?」
これらの点について、かつて米プリンストン大学でバーナンキ(当時は同大経済学部長)とも身近に接し、この5月には彼のいくつかの重要な講演を監訳・解説して『リフレが正しい。―FRB議長ベン・バーナンキの言葉』(中経出版)を出版した嘉悦大学教授・髙橋洋一氏に話を聞いた。

「出口戦略」を騒いでいるのは「市場関係者」だけ

――「FRB出口戦略が早期化するのでは?」と報じられています。6月19日の記者会見ではバーナンキから「年内」という発言も出たようですが。

今の段階でFRBの出口戦略について、いろいろと語っても意味がないと思いますね。

まず大前提としてFRBは、2つの明確な長期目標を持っています。

今回翻訳したバーナンキの講演集『リフレが正しい。』でも登場しますが、「物価の安定」と「雇用の最大化」――これを彼はFRBの「2つの責務」と呼んでいます。

そして、前者については「インフレ率2%±1」、後者については「失業率6.5%以下」というように、はっきりと数値目標を掲げているわけです。

まずそれを達成しないことには「出口」の話をしても仕方がないというのが、バーナンキの本音でしょうね。達成したときに初めて出口が現れる。それだけのことです。

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