「別荘」の真実を一体どれだけ知っていますか この蘊蓄100章は思わず人に話したくなる

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今回は「別荘」について(写真 :taki / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「別荘」。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
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01. 別荘は避暑避寒の目的で、日常居住する住宅とは別の場所に建てた家

02. 日本では古代貴族の別荘を「別業(なりどころ/べつぎょう)」と呼んだ。「田荘(なりどころ)」と書く場合もあり

03. 『日本書紀』には有力者の「別業」「田荘」の存在が記されている

04. ほかに別墅(べっしょ)、別庄(べっしょう)とも呼ばれた

別荘の発祥

05. 別荘の発祥は古代ローマといわれる

06. 古代ローマでは郊外の高地チボリや地中海のカプリ島に「Villa」と呼ばれる別荘が営まれた

07. カプリ島は古代ローマの初代皇帝オクタヴィアヌスに愛された避暑地。高級別荘地として2000年の歴史をもつ

08. 2 代皇帝ティベリウスはカプリ島に「ヴィラ・ヨヴィス」など12の別荘を建て、青の洞窟をプライベートプールとして使っていたとも伝えられる

09. 北イタリアではコモ湖、南イタリアはカプリ島がイタリアの2 大高級別荘地

10. 当時の「Villa」は「田舎の家」という意味。Villageと同じ語源といわれる

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11. ハドリアヌス帝がチボリに建てたヴィラ・アドリアーナは、古代ローマの広大な別荘の代表例のひとつ

12. チボリでは後期ルネサンス期にエステ家別荘Villad'Esteが築かれイタリア一美しい噴水庭園と称えられる

13. ヴィラ・アドリアーナは1999年に、エステ家別荘は2001年に、世界遺産に登録されている

14. さらにイタリアでは49番目の世界遺産としてトスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群が2013年に登録された

15. 英語ではsummer house、vacation house、holiday house、villa、cottage、second houseなどが使い分けられる

16. 中国では長安の東にある温泉地驪山(りざん)が皇帝の別荘地として知られる

17. 平安時代初期から京都の宇治や嵐山、嵯峨野は多くの貴族たちの別荘地帯だった

18. 宇治の平等院の地は、9 世紀末、光源氏のモデルともいわれる左大臣源融が別荘を構えた場所

19. この別荘が998年に藤原道長の別荘となり「宇治殿」と呼ばれていたものを、後に藤原頼通が寺院に改めたのが「平等院」の始まり

20. 室町時代には茶の湯を行うための別荘が営まれた。足利義政が建てた銀閣寺はその代表例

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