北朝鮮経済が「社会主義」にこだわるワケ

経済制裁下でも広がる「企業責任管理制」とは

平壌326電線工場は北朝鮮でも経営がうまくいっているモデル工場だ(記者撮影)
「現在の北朝鮮における企業活動は国家の統一的指導の下で行われている」ゆえに成果を上げていると、北朝鮮を代表するシンクタンク、朝鮮社会科学院経済研究所の金哲(キム・チョル)所長は断言した。
金所長は東洋経済との単独インタビューに対し、北朝鮮の企業や工場で実施されている「社会主義企業責任管理制」が成長エンジンとなっていると指摘。北朝鮮が目指す「経済強国」建設のための企業管理制度の有効性を説いた。金所長へのインタビュー内容は、以下の通り。

――北朝鮮は経済強国建設を打ち出しているが、具体的にはどうなっているのか。

:経済強国建設のため、実質的に経済が発展できるように各種の国家的措置が執られた結果、経済制裁の下での経済は徐々に発展している。2016年5月に開催された朝鮮労働党第7回大会で出された事業総括報告では、「社会主義企業責任管理制」が言及された。これは、経済発展を進めるために、以前から実施された国家的な措置による企業管理制度だ。

現場に権限を与え、国に大きく依存しない企業

工場や企業所、協同団体が生産手段を社会主義的な所有とすることで、実質的な経営権を行使して企業活動を創造・活発に行う。これによって、国家に対する任務を遂行し、勤労者が生産と管理において主人としての責任と役割を果たすということが、社会主義企業責任管理制の目指すところだ。

――社会主義企業責任管理制の目的は何か。

:企業体自身が経営するうえで、より具体的な経験を持てるようになったということだ。すなわち、各企業が経営活動において完全に責任を持って、現存する生産の基盤に基づき、国家に大きく依存することなく生産や経営活動を進められるように、実質的な経営権を行使できるようになったということである。

たとえば、計画と生産組織や管理期間と労力の調整、人材管理、貿易、合営、合作、財政管理、価格設定、販売などの実際的な経営権を企業体が持ち、経営活動を主導的に行っていく。

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