日本のLCCが「鉄道の強敵」になれない理由

安定性でビジネス客は敬遠、燃料税もネック

低料金で人気を集めるLCCは鉄道のライバルになり得るか(撮影:尾形文繁)

航空業界では1980年代の半ばになると、各社の概ねの事業分野を定めた「45・47体制」という強力な規制に対する批判が強まり、1986年に日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、東亜国内航空(TDA、のちの日本エアシステム)の棲み分けが解消される形で規制緩和が始まった。1990年代半ばに実施された運賃規制の撤廃は、競争促進という面で効果があったが、さらなる競争の促進には、新規参入を促すことが不可欠となった。

そこで1996年に当時の運輸省は、航空法を改正して新規参入の足かせである需給調整規制を撤廃する方針を発表したが、羽田空港の発着枠の問題から、新規参入が生じる状態ではなかった。この問題については1998年、前年の羽田空港新C滑走路の供用に伴って発着枠が増加した分のうち6枠分を、政策的に新規参入の事業者に配分することになった。

規制緩和の進展が生んだLCC

これにより同年9月に、スカイマークエアラインズ(現:スカイマーク、以下SKY)が羽田~福岡線に、同年12月には北海道国際航空(現:AIR DO、ADO)が羽田~新千歳線に参入している。1997年には競争促進を図るため、新規参入の企業には初期投資の負担が大きい、機材の整備業務を他の事業者へ委託することを認め、競争促進を図る航空法の一部改正を実施している。

2000年2月には、1952年に制定された航空法の内容を抜本的に改正した「改正航空法」が施行された。「改正航空法」の要点は以下の3点に集約される。

1:運賃設定の自由化
2:需給調整規制の撤廃
3:整備などの委託業務の「許可制」化

 

改正航空法の施行後は、スカイネットアジア航空(ブランド名:ソラシドエア/以下:SNJ)、スターフライヤー(SFJ)が新規参入した。

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