広島の超新星、田中広輔を支える「世界の足」 黒田投手のために!燃えるカープの先頭打者

拡大
縮小
CSファイナルステージで打率8割3分と絶好調だった広島・田中広輔(写真:共同通信)

広島カープが燃えている。黒田のために――。

10月22日にマツダスタジアムで、広島対日本ハムの日本シリーズが開幕。セ・リーグ優勝の祝賀ムードは、早くも「さぁ、日本一!」に変わって、さらにテンションが上がっている。さらに、10月18日、黒田博樹投手の現役引退が発表され、引退の花道を作ろうと、チームの結束は一段と堅くなった。

「神ってる」活躍のトップバッター

10月15日。DeNAとのCSファイナルは3勝1敗、1勝のアドバンテージを加え、7度目の日本シリーズ進出。シーズンからの勢いを保ったままの強さを見せつけた。

前回リーグ優勝した25年前の1991(平3)年、現場で監督として指揮をとった〝ミスター赤ヘル〟こと、山本浩二氏は「面白くなるな」とつぶやいた。「今年は、リーグ優勝、クライマックスシリーズを通じて、チームの全員が力をつけ、技術もそうだが、精神的にたくましくなった。いい戦いをしてくれると思う」

その日本一決戦を前に、チームに弾みをもたらした男がいる。田中広輔――。プロ3年目、赤ヘルのトップバッターのCSファイナルでの活躍に、山本氏も「神ってたな」と持ち上げる。

マツダスタジアムでのファイナルステージ4試合で、12打数10安打、打率8割3分3厘の離れ業をやってのけた。17打席で15度出塁の打ち出の小づちぶりを発揮し、最優秀選手賞に輝いた。田中はこう話す。「自分でも怖いぐらい、出来過ぎだった。打ちたいという気持ちは持っているけど、1番打者の役割を果たすことだけを考えていました」

今シーズンの広島では、4年目の鈴木誠也が3戦連続の決勝ホームランを放って、緒方孝市監督を「神ってる」と言わしめた。田中のラッキーボーイぶりは、またまた「神ってる男」の登場になる。東海大相模高から東海大、社会人のJR東日本を経て、13年ドラフト3位で広島入り。この年の1位は大瀬良大地、2位九里亜蓮両投手を指名、3位もピッチャーを指名する予定だった。

次ページ広島と田中を結んだ運命のドラフト
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT