若手を奮起させたカープ新井の「刺さる言葉」

25年ぶりVはこうして成し遂げられた

巨人対広島22回戦 25年ぶりに優勝を決め喜ぶ新井貴浩(撮影・栗木一考)=2016年9月10日、東京ドーム 
1991年以来、25年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした広島東洋カープ。その四半世紀ぶりのチームの大躍進を支えた主砲が新井貴浩その人である。
2007年のオフに阪神タイガースへFA(フリーエージェント)移籍し一時はカープを離れたが、一昨年オフにカープへ復帰。一貫して全力プレーを続け、ファンの心をつかみ、セ・リーグの打点ランキングでもトップを走る活躍を見せている。
今シーズンのカープの強さの一因に、若手選手たちがそろってその才能を開花させたことがあげられるが、彼らの成長にはプロ18年目・39歳のこのベテランの存在が大きな影響を与えた。なぜ彼は、若手選手たちをけん引し、チームを優勝へと導くことができたのか? 新井貴浩著『赤い心』には、そんな、若手を奮起させチームを変革することのできるベテランになるための条件が記されている。

先輩のアドバイスをただ聞くだけではいけない

プロ野球の世界にかぎらず、将来を有望視される人材は多くの指導者たちから直接的な指導を受け、また多くのOBからもアドバイスを与えられる。しかし新井は、その状況に満足してはいけないと考えている。

「いろいろな意見を聞けるのは貴重で、もちろんそれはいいこと。ただ、それを自分でうまく咀嚼しないといけない。自分に合わないと思うことはうまく聞き流し、いいと思ったことだけを取り入れていく必要がある」

一流の選手になるためには、自分の中にしっかりした「芯」をつくって、それをつねに意識しながら、新しい技術を取り入れていく必要があると考えているのだ。

そう考える新井は、若手選手たちが練習するときに、いきなり彼らのもとに行ってアドバイスをするようなことはしない。

「基本的に話を聞きに来た選手には、自分の感じたことを伝えるようにしている。彼らが自分から聞きに来れば、〈よし来た〉と思う。やはり、意図していないところで他人にあれこれ言われるよりは、自分が疑問に思っていることを聞いたほうが、同じアドバイスを受けても、より身に付くものだ」という。

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