再編報道も飛び出す「造船不況」の深刻度

統合交渉が報じられた川重と三井造船。実現性は?

重機・造船業界の大手2社が一躍、脚光を浴びている。きっかけは、川崎重工業と三井造船の経営統合交渉を報じた日本経済新聞4月22日付朝刊の1面トップ記事だ。事実であれば、業界では歴史的な大型再編となる。

川重と三井造船はすぐに全面否定。その3日後に川重が開いた経営戦略説明会では、押しかけた報道陣を前に、長谷川聰社長が「報道されたような事実はない」とあらためて経営統合交渉について否定した。

ただ、関係者らによると、経営統合まで視野に入れたものかどうかは別として、造船事業を中心とする提携に向けた交渉はしているようだ。

一連の再編報道で焦点となった造船事業は、極めて厳しい環境下にある。リーマンショック前に発注された膨大な新船が次々に竣工した結果、海運業界が深刻な船腹過剰に陥り、新規発注が激減しているからだ。2012年の新船建造発注量は3800万総トンにとどまり、ピークだった07年の5分の1、10年比でも半分以下の水準にすぎない。

その限られた需要を韓国、中国、日本の造船会社が奪い合い、すでに中国、韓国では仕事にあぶれた中小造船所の破綻が続出。日本の造船会社は過去の受注分でまだ食いつないでいるが、このまま新規受注の低迷が続けば、国内勢も14~15年度には仕事が払底しかねない。

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