医者から外資金融・コンサルへの転職が急増 敷かれていた医療キャリアからの転出

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医療業界からビジネスへの転出は、年々増加

医師としてのキャリアを歩んできたものの、違和感を抱いて転職を考えても、周りにそんな人がいないのでためらっている人が多いのを知っている。しかし安心してほしい。私の知人は京都大学医学部を卒業後、2年の研修医を経て大手投資銀行に入ったが、現在ニューヨークでトレーダー研修を受けており、大変幸せに暮らしている。

日ごろから株式取引を趣味でやるうちに、本業よりもよっぽど生きがいを感じていたという。彼が有力中高一貫高校出身というのも転機を助けた。大学の友達はみな医者なため、他の世界を見せてくれないが、ゴールドマンやマッキンゼーに進んだ高校時代の友人が、彼を人事に引き合わせ内定に至ったのだ。 

また彼の医局の先生にいたっては、内科で胃腸を治す代わりに、ハリウッドで映画を製作しているし、医学部を出て研修医になった後、辞めて弁護士資格の勉強にいそしんでいる資格マニアの人もいる。

京大医学部からトレーダーに身を転じたケースも存在するし、脳神経外科を研究していた高校の友人が、今はクロスボーダーのM&Aを手がけていたりする。実際私も東大医学部、京大医学部、慶應医学部という医療業界のいわゆるトップエリートの学生で、コンサルや金融への就職を目指す学生から多くのキャリア相談を受けてきた。

医者からの転身は、そこまでの投資コスト、期間が膨大なだけに、転身には心理的コストが高いであろう。しかし世襲でなく、自主的に医療を学び、そして自主的に合わないと思ったあなたの判断は重い。

さらに、既に、先人たちが医療現場から飛び出し、ビジネスの世界で活躍している。リスクをとって世界を広げたい雅子には是非とも、挑戦して欲しいキャリア転換である。

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