看過できない中国の地方政府債務問題

景気・経済観測(中国)

4月は短期、中長期の両面で中国経済の先行き不透明感が改めて意識されることが多かった。

目先の景気という点では、2013年1~3月期の実質GDP成長率が中国経済の回復力の弱さを印象づけた。4月15日に発表された1~3月期の実質GDP成長率は前年比+7.7%と、2012年10~12月期の+7.9%から低下した。市場の事前予測は+8.0%。2012年7~9月期の+7.4%を底に中国経済は緩やかながらも回復していると市場はみていたが、期待と違う結果となった。

在庫調整長引き、景気回復力弱く

減速の主因は、在庫調整が長引いていることにある。実質GDP成長率に対する総資本形成の寄与度は、2012年10~12月期には3.9%ポイントであったが、2013年1~3月期には2.3%ポイント(みずほ総合研究所推計値)へと大幅に低下している。

総資本形成とは設備投資や建設投資などの「総固定資本形成」と「在庫投資」を足したものだが、総固定資本形成の代理指標である固定資産投資の実質伸び率をみてみると、2013年1~3月期は前年比+20.7%と、前四半期の+20.6%(みずほ総合研究所推計値)とほぼ同じである。つまり、在庫投資が総資本形成、ひいては実質GDP成長率を押し下げたのである。

在庫調整の長期化は、生産者価格の動きからもうかがえる。前年比マイナスの状態が1年以上続いており、足元はマイナス幅が再び拡大している状況にある。とりわけ鉱物資源採掘業、金属・化学工業などで価格の下落が顕著だ。いずれも在庫調整圧力が今なお残っている業種だ。

次ページ元財務部長・項懐誠氏の発言がきっかけに
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