本屋の「文教堂」、アニメ・文具で打開できるか 筆頭株主が大日本印刷から日販に変わる意味
武蔵溝ノ口駅近くにある文教堂溝ノ口本店。1階から3階までは書籍・雑誌を販売しているが、4階の売り場は雰囲気が違う。文具やホビーグッズが所狭しと並ぶ。品ぞろえは豊富、しかも割安価格とあって、4階の文具売り場に来店する客も多い。
首都圏を中心に郊外型書店を展開する文教堂の筆頭株主が、大日本印刷から出版取次大手・日本出版販売(日販)に替わる。大日本印刷と丸善ジュンク堂書店が所有する文教堂株の28.12%を10月31日付けで日販が買い取る。
資本提携で仕入れの変更も
もともと文教堂は、大手取り次ぎ・トーハンから書籍・雑誌の仕入れを行っている。文教堂が買収した「ブックストア談」や「本の店岩本」から引き継いだ店は日販から仕入れているが、メインはトーハンだ。今回の資本提携で、文教堂の仕入先(帳合い)は日販に変更される可能性が高い。
書店を取り巻く環境は厳しさを増している。1996年に2兆6564億円だった出版物の販売金額は、2015年には1兆5220億円まで減少。書店に本を卸している日販(単体)の営業利益は、2011年度の34億円から15年度は16・4億円に半減した。
書店のテコ入れ策として日販が注力しているのが、文具や雑貨などの非「書籍・雑貨」商材の強化だ。書店の中に、文具・雑貨コーナーを設けて、店舗当たりの売上高を底上げする作戦である。
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