家賃は毎年3割増!不動産バブル in 香港 日本のREITの値上がりなんてかわいらしいもの

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
毎年2~4割も賃料がアップする香港。不動産バブルの加熱が懸念されている(写真:ロイター/アフロ)

さて、最近REITの高騰が続き、中にはリーマンショック前の水準を取り戻している銘柄もある。景気回復期待やインフレヘッジで買われる典型的な資産だが、今から買うのは長期的に見てお勧めできる価格ではない……などと余計なお世話なことは書かないが、日本のREITの値上がりなど香港やシンガポールで毎年爆騰する不動産価格を見てきた私にとってはかわいらしいものである。

私が香港やシンガポールに住んで毎年驚くのは家賃が毎年20%-40%上がってきたことである。かつて東京のマンションに住んでいた頃は、毎年ほぼ一直線(たしか1回だけ細かに5%上がったが)、その後もずっとフラットだった。しかも日本の不動産契約期間は4年と長く、その間家主は値上げをすることができない。この長年当たり前と思っていた“不動産は上がらない”という感覚は香港生活で大いに覆された。

香港では家賃は2年契約が基本だが、12カ月経てば一般的に家主は契約を更新することができ、契約の最中であろうと値段を上げることができる。下手したらたったの1年でなんと家賃を5割上げられた気の毒な友人もいた(しかもその人は賃上げをのんだ数カ月後に某外資系金融機関をクビになり、値上げされた家賃の支払いだけを残して出身国に帰ってしまった)。

リーマンショック後に不動産価格が一時的に急降下したが、2年で元の水準に戻り、今では立派にリーマン前よりよっぽど高い価格で取引されている。不動産のボラティリティは株価並みに高く、契約更改のタイミングで多くの人や会社が移動する。香港では不動産オーナーの権利が非常に強く保護されており、この点借り主の権利が非常に強い日本とは対照的である(日本では税金を納めるために働いているようなものだったが、香港では大家さんを太らせるために働いているようなものだ)。

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