経産省エース官僚、再生エネルギーを語る

再エネ普及を阻む「送電線」問題

再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める固定価格で電力会社に買い取りを義務づける再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)。2012年7月1日にスタートし、今年3月末で初年度を終えた。
電力会社が買い取りに要した費用は、電気料金の一部として、使用電力に比例した「賦課金」という形で国民が負担している。この制度を通じ、エネルギー自給率の向上、地球温暖化対策、産業育成を図るとともに、コストダウンや技術開発によって、“再エネ”が日本のエネルギーを支える存在となることを目指している。
FITによる再エネ導入実績は今のところ12年12月末までしか発表されていない(今年3月末の実績は6月中旬以降に発表予定)。これを見ると、FIT導入前までの累積設備容量約2000万キロワットに対し、FIT導入後の12年7~12月に運転開始した設備容量は86万キロワットにとどまった。ただ、まだ運転開始はしていないものの、設備認定を受けた容量は523万キロワットに達した。うち490万キロワットが太陽光発電で、メガソーラーを含む非住宅向け太陽光発電が385万キロワットを占めた。
一方、風力発電は45万キロワットで、それ以外はごくわずかにとどまった。523万キロワットというと原子力発電所5基分近くになるが、夜間や雨天時に発電しない太陽光の場合は、設備利用率が12%程度にすぎない。それでも急増である。
ここまでのFIT導入の成果と、浮かび上がってきた問題点や課題について、政府の担当者はどう考えているのか。経済産業省で10年にわたりIT政策に携わったことで知られ、現在は再生可能エネルギー問題に取り組む、資源エネルギー庁の村上敬亮・新エネルギー対策課長(写真)に聞いた。

設備認定受けながら運転開始に至らないケースも

――FIT導入後、12月末までの実績をどうみているか。

全般はおおむね順調だ。太陽光発電の住宅用はほぼ読みどおり。非住宅は、設備認定のペースが予想より速い。ただ、運転開始ペースをみると、こんなものかという感じだ。設備認定を受けても、運転開始に至らないケースもある。設備認定はあくまで通過点であり、運転開始に至るかどうかで評価する必要がある。

太陽光以外の設備認定や運転開始が少ないのは織り込み済み。風力などは運転開始までのリードタイムが長く、制度が始まって数カ月では、少ないのも仕方がない。

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