カーライル、投資ファンドの知られざる実像

安達・日本共同代表に聞く

世界中で1700億ドル(2012年末)の運用資金を誇る米カーライルは、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)やブラックストーンと並ぶ、世界3大プライベート・エクイティファンド(PEファンド)として知られる。
外資系ファンドといえば、ちょうど先月に西武ホールディングスへのTOB(株式公開買い付け)を表明した米サーベラスが、世間を騒がせている。外資系ファンドは、しばしば「ハゲタカ」とひとくくりにされることもある。
ただ、サーベラスの場合は、市場で同意を得ることなく、過半に満たない株を買って経営陣にプレッシャーを与えるアクティビスト・ファンド。カーライルのようなPEファンドとは性格が違う。株式の未公開企業に投資するとともに役員の派遣などにより企業を育てたり、経営を立て直したりするのが、PEファンドの主な役割だ。経営陣とともに上場企業を買収して非上場化させ、経営を立て直す「マネジメント・バイアウト(MBO)」も、投資手法の一つである。
2000年に日本へ進出したカーライルはこれまで、居酒屋チェーンのチムニーやPHSのウィルコムなど、継続中の案件を含め日本で15社に投資してきた。そんなカーライルにとって、絶好の商機が訪れているのかもしれない。08年のリーマンショック以後は、リスクマネーを呼び込みにくい状況が続いてきたが、昨年末の政権交代をきっかけとした、いわゆる「アベノミクス」相場で、金融資本市場のムードが変わっているからだ。
日本進出から13年。普段は表舞台に出てこないカーライルの実像とは。安達保・日本共同代表(=写真右=)と富岡隆臣・マネージングディレクターに話を聞いた。

PEファンドにチャンスが訪れている

――アベノミクスによって、日本の金融資本市場でリスクマネーが動いています。

安達 日本企業は20年近く厳しい状況に置かれてきましたが、少なくともムードは変わりました。われわれPEファンドにとって、チャンスが訪れています。産業・事業再編が叫ばれ、日本経済の改変が起こりつつある。たとえばファミリー企業が新たな事業戦略を導入したり、大企業がノンコア(非中核)事業を切り離して成長できる事業に集中したり、といった機運が高まっている。それを、われわれが支援できるタイミングだと考えています。

リスクを取って資本を入れることは、もともとは商社や銀行、古くは財閥が行ってきましたが、それをPEファンドは担います。成長を求める企業、事業モデルを変えようとする企業を支援し、経営者と一緒に事業を伸ばすということが期待されています。

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