「シェール革命」、石油メジャーはこう見る 仏トタルの探査・開発部門トップに聞く

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世界的な石油メジャーは北米のシェールガス・オイル大増産とその影響についてどのように考えているのか。また、日本が直面するエネルギー問題として目下、最大テーマのひとつであるLNG(液化天然ガス)輸入価格の原油価格連動についての見解はどうか。

石油メジャーの一角である仏トタルの上流(探査・開発)部門社長を務めるイブルイ・ダリカレール氏(写真)に話を聞いた。

トタルは2012年度の売上高が2000億ユーロ、純利益が107億ユーロの巨大石油・ガス企業。インドネシアやカタール、アラブ首長国連邦、オマーン、ブルネイの主要LNGプロジェクトを通じ、日本に対して520万トン(12年)のLNGを供給しており、これは日本の輸入量全体の約6%を占める。

米国の天然ガス価格は長期的に低水準が続く

――米国のシェールガス&オイルの増産は「革命」と言われるが、どう考えるか。

私自身、「革命」であると思っている。米国ではシェールガスが各方面に革命的な影響をもたらしている。今や北米は天然ガスを自給できている。米国はガスの輸出国になる見込みだ。そして、非常に長期にわたって米国はガスの自給国、輸出国であり続けるだろう。

近年、米国では発電が石炭火力からガス火力へ転換しつつあることによって、ガスの消費が増えている。ただ、ガスの供給は消費を上回っているため、米国のガス価格は低水準のままだ。今後も非常に長期にわたって低水準が続くとみている。

ガス価格の低下は、石油化学を中心とした米国の産業界に多大な競争力をもたらす。そのため、米国では設備投資計画が増大している。

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