シェール革命で世界はどう変わるか【下】

中部電力、大阪ガスの輸入戦略を直撃

米国では近年、シェールガス、シェールオイルの本格的生産が進み、米国内のガス、石油需給が緩和したことで、特に天然ガス価格が大幅に下落した。「シェール革命」と呼ばれるほどの経済的波及効果が生まれている。
地下数千メートルに大量に存在しながら、肉眼では見えないナノレベルの岩盤のすき間に気体や液体で存在するがゆえにわずか数年前まで「絶対不可能」とされていたシェールガスとシェールオイル。それが米国の中小企業が起こした水平掘りや水圧破砕など常識を超えた技術革新によって、初めて利用できるようになった。
『週刊東洋経済』では2月16日号でシェール革命について総力特集を組んだ。東洋経済オンラインも同特集に合わせ、米国産シェールガスの対日輸出を目指す米国フリーポートLNGディベロップメント社幹部へのインタビューと、同社からのシェールガス調達をもくろむ大阪ガスおよび中部電力の動きを、2回に分けて掲載する。

――【上】はこちら

米国の安価なシェールガスをLNG(液化天然ガス)の形で日本に輸出するプロジェクトが、いよいよ3月にも米国エネルギー省の承認を得られる公算が高まっている。日本を含む自由貿易協定(FTA)未締結国向けの政府承認を待っているプロジェクトは20件以上に上るが、業界関係者の間で承認に最も近いと見られているのが、米国フリーポートLNGデベロプメント社のプロジェクトであり、日本の大阪ガスと中部電力が液化加工契約を結び、年間それぞれ220万トンのLNGを調達することになっている。

実際の輸入開始は2017年からとはいえ、これまで原油価格連動一辺倒だった日本のLNG輸入契約の価格体系に、米国の“天然ガス需給"を反映したまったく新しい価格体系を加えられる意義は大きい。大阪ガスと中部電力のシェールガス輸入のキーマンに、その狙いを聞いた。

大阪ガスはLNG調達コストの長期安定化狙う

大阪ガスの米国法人(ヒューストン)、大阪ガス・リソーシズ・アメリカ社の山本唯史社長は、「これまでLNG調達は原油価格連動でコストの削減余地がなかったが、米国との契約を通じて自らのコストでLNGを導入することに意義がある。そのためのコストの積み上げをシビアに見ている」と話す。

LNGの主な調達コストには、ガスの調達原価、液化コスト、日本までのLNGの輸送コストがある。

コストの積み上げでまず重要な天然ガスの確保については、マーケット(パイプライン)から購入もできるが、LNG輸出プロジェクトは20年間に及ぶ長期プロジェクトであり、将来のガス価格に運命をすべて委ねるのはリスクも大きい。

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