家計のインフレ期待は高まっているのか?

景気・経済観測(日本)

2013年2月の消費動向調査によれば、1年後の物価上昇を予想する消費者の割合は69.5%となり、前月から4.2ポイントの上昇となった。1月調査でも5.7ポイント上昇しており、安倍政権が発足してから2カ月で物価上昇を予想する消費者の割合は10%近く増加したことになる。すでに、金融市場では物価連動国債から算出される「期待インフレ率」が大幅に上昇し、将来の物価上昇を織り込み始めている。家計でもインフレ期待が高まっていると言えるのだろうか。

家計の物価予想には上方バイアスがある

家計のインフレ期待を考えるうえでは、注意すべき点がいくつかある。ひとつは家計の物価見通しには上方バイアスがあることだ。現行の消費動向調査が開始された2004年4月以降、実際の消費者物価は下落基調が続いている。しかし、消費動向調査では1年後の物価が「上昇する」と回答した世帯の割合が50%を上回ることが多く、「低下する」の割合を下回ったのは2009年12月の一度しかない。

原油などの国際商品市況が高騰した2007年11月から2008年10月にかけては「上昇する」の割合が80%を超えており、直近の70%程度というのは過去に比べてとりわけ高い水準というわけではない。

消費動向調査を用いて家計の期待インフレ率を試算してみた。「マイナス5%以上」と回答した場合をマイナス5%、「マイナス5%未満~マイナス2%以上」をマイナス3.5%、「マイナス2%未満~」を、マイナス1%、「0%程度」を0%、「~2%未満」を1%、「2%以上~5%未満」を3.5%、「5%以上」を5%として算出した。

次ページ足元の期待インフレ率は0.3%程度に過ぎない
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