成長重視の白川総裁、期待重視の黒田新総裁

リーマンショック、大震災…「激動の白川時代」が終了

激動の5年を振り返った白川総裁。最後は笑顔も

「激動の5年だった」--。日本銀行総裁として19日に最後の会見を行った白川方明総裁はこう振り返った。在任中のもっとも印象深い出来事として、白川総裁は2011年3月11日の東日本大震災、08年9月のリーマンショック、そしてデフレ脱却に向けた取り組みという3つを挙げた。これらへの対処には、金融システムの安定と物価の安定を実現するという中央銀行の役割が凝縮されている。

デフレ脱却に向けての「5年間の努力」を強調

2月5日、白川総裁は副総裁の任期満了(3月19日)に合わせた前倒しの辞任を表明した。この際、安倍晋三内閣で内閣官房参与を務めるイェール大学の浜田宏一名誉教授は「自分の信念を曲げずに誠実に職務を忠実に続けてきたことはわかる。お疲れ様と言いたい。ただ、その信念は日銀や日本のジャーナリズムだけに通用する真理に過ぎず、デフレと円高で国民を苦しめたという事実は歴史として残るであろう」と指摘した。白川氏が東京大学の経済学部生だった時、先生の側にいたのが浜田教授である。

現在、消費者物価指数は前年同月比でマイナスの水準にあり、白川総裁時代にデフレ脱却が実現できなかったことは事実だ。しかし、19日の会見で白川総裁は「(デフレ脱却のために)最大限の努力をしてきた」と述べた。そして、「成長力や競争力強化に向けた幅広い主体の努力が必要」とも語った。

金融緩和によっておカネが借りやすい状況にすると同時に、「思い切った規制緩和などで国内投資の魅力を高め、企業が挑戦しやすい環境を整えること」と、白川総裁はかねて政府の取り組みの重要性も言及してきた。ただ、中央銀行以外の役割を強調したため、金融政策でデフレが脱却できない”言い訳”にしているとの批判も招いた。

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