「若者の酒離れ」は本当か(下) 答えは「NO!」。鍵は、万博世代の息子たち-その2

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定価で買う。それが作り手を尊重するということ。

「だから、僕は、バーゲンには行きません。服が欲しいときは、シーズンの初めに買いにいきます。そして、作り手の姿勢に共感したら、その場で買います」

バーをやっていて、たまにとても残念に思うことがあります。それは、Hollyで初めて飲んで気に入った酒のラベルをパチリとやって、通販で安く探して買いました、と公言されるお客さま。

「そのどこが悪いの?」とおっしゃる読者の方も、いらっしゃるかもしれません。スマホのアプリには、店先で欲しい商品をパチリとやれば、それが安く買えるアマゾンのサイトに移動できるものもあるとか。

だから、作る側も、低価格帯の商品を集中して開発したり、店頭での値下げに納入価格で協力したり。

前回の記事にも書きましたが、供給する側がこれを続ければ、確実に、その文化は滅びます。

酒は長い歴史をもつ文化であり、バーという空間で、いろいろなしがらみから解き放たれてその味わいにひたることは、大人ならではの楽しみです。

残念ながら、この2人は、同世代では少数派だということ。彼らの交友関係に、「きみも?」と共感しあえる同世代が増えてこそ、日本が豊かさを取り戻したと言えるのではないでしょうか?

筆者より:「若者の酒離れ」についての記事は、今回で終わりです。ただ、このテーマについては、賛否両論、さまざまなご意見をいただきました。ですので、ひき続き、この問題を考えるべく、ツイッターのアカウント( @otonanomi201211 )を開設しました。今後は継続的にみなさんとこの問題を考えていきたいと思います。共感してくださる方は、ぜひフォローをお願いします。

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