徳川家康は「日本人に嫌われる性格」の典型だ 「スゴい成功者」なのに…理由は4つあります

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今回は「成功者の家康がなぜ嫌われるのか」について解説します(写真:嵯峨釈迦堂所蔵/アフロ )
日本史に登場する有名人の中で、徳川家康ほど好き嫌いの評価が分かれる人物も珍しいのではないか。
1603年の江戸開府に始まり、1867年の大政奉還に至る265年に及ぶ徳川幕府の政権は、多少の混乱はあったものの、世界史的に見ても類を見ない「長く平和な治世だった」と内外から高い評価を受けている。
そんな江戸時代の基礎を築いた家康だが、その「偉大な実績」とは裏腹に、意外と人気は乏しく、「嫌われ者」になることも多い。
なぜ「成功者」であるはずの家康は、日本人に嫌われるのか。その理由を知ることは、ビジネスパーソンの「処世術」としても役に立つ。
「日本史を学び直すための最良の書」として、作家の佐藤優氏の座右の書である「伝説の学習参考書」が、全面改訂を経て『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』として生まれ変わり、現在、累計15万部のベストセラーになっている。
本記事では、同書の監修を担当し、東邦大学付属東邦中高等学校で長年教鞭をとってきた歴史家の山岸良二氏が「成功者の家康がなぜ嫌われるのか」を解説する。

成功者でありながら人気がない家康

佐藤優氏が30年間、たえず読み返してきた「座右の書」であり「最高の基本書」。「伝説の学習参考書」と呼ばれる『大学への日本史』が読みやすくなって、しかも最新情報で新登場!

「あなたの好きな戦国武将は?」「あなたの尊敬する偉大な人物は?」

このようなアンケートでランキング上位によく来るのは「織田信長」「豊臣秀吉」「真田幸村(信繁)」「武田信玄」「伊達政宗」といったおなじみの名前です。その中に「戦国の覇者」である徳川家康の名はなかなか見当たりません。

150年にわたる戦乱の世に終止符を打ち、未曾有の平和な時代をもたらした「成功者」でありながら、なぜか家康はほかの戦国武将ほど人気がありません。むしろ「家康は嫌い」という人さえ多いように思います。

高視聴率をキープしているNHK大河ドラマ『真田丸』でも、家康は主人公真田幸村(信繁「真田幸村の回」)の敵役として扱われるなど、狡猾で抜け目のない「憎まれ役」として描かれることがほとんどです。

今回は、なぜ「成功者」であるはずの家康がこれほど嫌われるのか、現代人が「処世術に応用できる教訓」とあわせて、解説したいと思います。

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