トヨタが早くも下方修正、「4割減益」の意味

為替を除いた販売の実態、投資の方針は?

5月の本決算説明会の時の豊田章男社長。逆風が吹く今期を意志が試される年とする(撮影:尾形文繁)

トヨタ自動車は8月4日、2017年3月期の営業利益が1兆6000億円(前年比43.9%減)になりそうだと発表した。期初予想に比べても1000億円の下方修正となる。

主因は今期の想定為替レートを従来よりも円高に見直したことによる。年間ベースでは、1ドル=105円から102円へ、1ユーロ=120円から113円とし、これだけで1850億円の減額要因となる。前年実績との比較では、為替変動だけで実に1兆1200億円分の利益を押し下げることになる。

ただ、今回の下方修正を過度に悲観する必要はない。その理由の第1は、為替で1850億円の減額になるにもかかわらず、営業利益の下方修正幅は1000億円にとどまっていることだ。

お家芸の原価改善が寄与

2016年3月期までの3年間、円安を追い風に最高益をたたき出してきたトヨタ。社内の危機感は薄れ、固定費は徐々に膨張。今年5月の本決算発表時、伊地知隆彦副社長は「諸経費の内容を精査してもっと原価改善を進める」と語った。

その言葉通り、緊急収益改善活動を立ち上げ、諸経費の削減や原価改善などで1000億円以上の利益改善のメドが付いた。危機感を高めたことで、期末にかけてもう一段の費用減は期待できるはずだ。

第2が、持分法適用の中国を含むグループの総販売台数1015万台(前年比6.4万台増)の見通しを据え置いたこと。好調に伸びてきた米国市場の失速、英国のEU離脱、頻発するテロなどリスク要因はあるものの、「いろんなリスクが出ているのは事実だが、自動車マーケットを悲観的に見ているわけではない」(大竹哲哉常務役員)。

特に収益柱の北米市場は、4~6月こそガソリン安による乗用車から商用車への需要シフトを受けて販売台数を減らしたものの、好採算の小型トラックやSUVの比率が増加し収益性は高まった。

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