「Amazonや楽天と戦いたい。戦って勝つ。これしかない。ネット企業には絶対に負けない」
売上高日本一を誇る家電量販店、ヤマダ電機の副社長でありCIO(最高情報責任者)を務める飯塚裕恭氏は、闘志を燃やす。
ヤマダ電機は、ネットとリアル店舗の融合、O2O(オンライン・ツー・オフライン)に向けて、本格的にアクセルを踏み込んだ。目的はただひとつ。ネット通販企業に勝つためにほかならない。
今、家電業界は新たな戦国時代に突入した。ヤマダ電機は、国内家電業界ナンバーワンの売り上げを誇る王者だ。2012年3月期の売上高は1兆8354億円。2位のエディオンの2.4倍もの数字だ。経常利益も1000億円を超え、国内家電業界の天下統一をしたかのように思えた。
しかし、新たな強敵が台頭した。Amazon、楽天といったネット通販企業だ。ネット通販の市場は、右肩上がりに2ケタ成長を遂げ、2011年度は8.8兆円に達した。
ヤマダ電機の敵はもはや、家電量販店ではない。ネット通販の会社なのだ。
要は、価格
ヤマダ電機の側からO2Oを語るとき、2つの側面があるのを忘れてはならない。ひとつは「ショールーミング」への対応。もうひとつは、新規顧客の獲得と既存の顧客の囲い込み。いわば、前者が守り、後者が攻めのO2Oといえるだろう。
最近、「ショールーミング」と呼ばれる新しい消費行動を、耳にすることも多いだろう。
消費者は店頭に行き、実物の商品を実際に触って質感を確かめるが、その店舗からは購入しない。その場でスマートフォンなどを利用して、同じ商品を低価格で販売している通販サイトから買う。店舗はあたかも「ショールーム」扱いにされてしまう。
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