「日本人の留学」はどうすれば増えるのか? カギは「大学入試の改革」にあり

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グローバル化による影響を受けるのは、ビジネス界だけではありません。教育の世界にも、グローバル化の波が押し寄せています。今、世界と日本の教育はどう変わろうとしているのでしょうか。ビジネスパーソンや学生、そして、子どもをもつ親たちは、何を知っておくべきでしょうか?
この連載コラムでは、ベネッセでソーシャルイントラプレナー(社内起業家)として活躍し、米国トップ大学進学塾「ルートH」 を担当する藤井雅徳さんに、東大とハーバードに代表される、日米大学の違いを説明してもらいます。日本の教育の問題と可能性を示すことによって、日本の新しい「教育のかたち」を考えていきます。
2月25日、26日に迫る東大の二次試験。大学の英語入試を改革すれば、日本人の留学はもっと増えるはずだ(撮影:今井康一)

最新データに見る、日本人の留学

今回はまず、2月8日に文部科学省から「日本から海外への留学生数の推移」のデータ発表があったことを受けて、近年、「企業は、ガラパゴス」「学生は、内向き」だと言われている“論拠”について考えてみたい。

まず、文科省データによると、今回の数値も内向き傾向を「裏付ける」ものとなった。2010年の留学者数は5万8060人と前年の5万9923人と比較して3.2%減少。ピークである2004年の8万2945人と比べて、実に30%の落ち込みだ。

次に、この文科省のデータ(2010年度)よりも1年速く最新のデータを公表しているIIE(国際教育協会)のデータを見てみよう。日本からアメリカへの留学生数は右図のように推移している。

2011年のアメリカへの留学生数は1万9966人であり、2010年の2万1290人から6.2%のダウン。ピーク時の1997年と比較すると半分以下にまで減少している。このデータで注目してほしいのは、2008年から2011年の落ち込みが大きいことだ。ここ数年、18歳人口の減少スピード以上に、留学生数の減少が進んでいることがわかる。

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