「ウナギの管理」が今こそ強く求められる理由

絶滅危惧種を守るために日本が主導すべき

森山農相は無許可や未報告の採捕を問題視し、正しいルールに則った取引を強調する(撮影:田所千代美)
今年の「土用の丑の日」は7月30日(土)。スーパーや百貨店、外食チェーンなどで、ウナギ商戦が盛り上がりを見せている。しかし、実はウナギは、何かと問題の多い食べ物だ。
近年、ニホンウナギの減少が、声高に叫ばれている。ウナギは完全養殖が確立しておらず、天然の稚魚(シラスウナギ)を漁獲して養殖するしかない。ところが、シラスウナギの採捕量は、ピーク時である1963年の232トンから激減し、今年は13.6トンと歴史的な低水準が続いている。2014年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧IB種(近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種)に指定した。
ただ、ニホンウナギの問題は、資源の減少だけにとどまらない。野生生物の取引監視機関トラフィックイーストアジアジャパンが2015年に出した報告書によれば、日本では、「1960年代からシラスウナギの違法・無報告漁業が行われており、シラスウナギの50%以上が、許可を受けていない漁業者が採ったものや、闇市場を通じて取引されたものであるとされる」。
資源管理と密流通という大きな課題に、日本はどう対処していくべきか。ウナギを含めた水産物全般の管理のあり方も含め、森山ひろし(ひろしの正式表記は示偏「ネ」に「谷」)・農林水産大臣に聞いた。

ウナギは重要な日本の食文化だと思う

ウナギの蒲焼き専門店では「地震でも火事でも、タレだけは持って出る」(写真:記者撮影)

――日本の食文化を代表するウナギは絶滅危惧種。しかも不透明な流通に支えられている。国際的に見ると、恥ずかしいことかもしれません。

これまで日本人には、あまりそうした意識がなかったのかもしれないが、ウナギという日本の食文化を守っていく上で、大事な課題だ。蒲焼きの専門店に行くと、最近は「外国人の方が増えてきた」という。外国から日本に旅行に来る観光客にも、ウナギのおいしさをわかってほしい。ニホンウナギの食味は独特だし、蒲焼きのタレにも長い歴史がある。老舗の蒲焼き専門店では、「地震が来ようと、火事になろうと、タレだけは持って出るように」と言われているという。ウナギは日本の食文化として非常に大切にしなければならない。

――ニホンウナギの資源の状況を、どう見ていますか。

昭和50年(1975年)代後半以降、日本でのシラスウナギの採捕量は非常に低水準になり、その後も減少の傾向が続いていると認識している。私の出身地である鹿児島県でも、シラスウナギ漁が盛んだが、最近は採れるときと採れないときがあり、日によっては1匹も採れないときもあるとの声を聞いている。河川の改修や親ウナギの放流など、養鰻業者(ウナギの養殖を行う業者)の積極的な取り組みも出てきた。資源管理についてはみんなの意識が非常に高くなっているように思う。ウナギの生態についても、少しずつ解明されており、科学的な裏づけに基づいた資源管理のあり方を考えていくのは大事だ。

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