スマホ利用者の4割がポケモントレーナー! この異常人気はどこまで続くのか?

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「プレイした感想や起きたこと」(複数回答可)の順位も、きわめて納得感のあるものだ。首位は「バッテリーの消耗が激しい」で回答率は67.9%にのぼった。2位は「とても楽しい」(45.0%)で、満足度も高い。

社会的に問題だと指摘されている要素としては、「歩きスマホをした」は34.0%、「人やモノとぶつかった」は5.5%、「転んだ・けがをした」「スマホを落とした・壊した」は各3.4%だ。ポジティブに解釈すれば「意外に歩きスマホをしている人は少なく、しかも事故率は低い」という見方ができる。ただし、ネガティブにとらえれば、「ポケモンGOは危険」という解釈もできる。これは解釈次第だ。

日本でも「高原状態」が続く公算

今回の調査をまとめたMMD研の研究員である妹尾亜紀子氏は、認知度が9割を超えた背景として、米国などでのブームが伝えられた後、日本での配信開始が一部報道よりも遅れて待たされる形となったことを上げる。「2段階に分かれて情報が伝わったため、周知徹底されたのではないか」(妹尾氏)。時間制限がなく、近くでプレイ中の他の人とも交流できるゲーム特性も、広く受け入れられた要因ではないか、と分析する。

ただ、この人気が今後も高まっていくわけではなさそうだ。指標になりそうなのが、先行してリリースされた米国市場の状況。米国のネット調査会社であるSurveymonkeyが7月21日に発表した調査では、6日の配信開始から約1週間でアクティブユーザー数はピークの約2500万人を迎え、その後は緩やかに落ちていると指摘している。ただし、それであっても7月20日時点で毎日2200万人が遊んでおり、「高原状態」といったほうが正しいかもしれない。

日本でも、早々にピークを打ち、その後は「高原状態」ということになるのではないだろうか。いずれにしろ、この夏は街のそこかしこにポケモントレーナーたちが集結する景色が常態化することになりそうだ。

駅 義則 東洋経済オンライン編集部

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えき よしのり / Yoshinori Eki

1965年、山口県生まれ。1988年に時事通信社に入社し、金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移ってIT関連の記者・エディターなどを務めた後、2015年9月に東洋経済オンラインのエディターに。現在の趣味は飼い主のない猫の里親探し

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