大暴落に備えて個人投資家が身を守る方法

オルタナティブ投資の活用を考える

英国民投票でBrexit(英国のEU離脱)が決定した際にも金融市場は大荒れとなった(撮影:今井康一)
昨年から金融市場の不安定な状態が続いている。世界的な潜在成長率が低下する一方で、金融緩和政策により、株や債券などの資産価格は高値圏にある。バブル崩壊のリスクを抱える中で、個人投資家はどうすれば生き延びていけるのか。GCIアセット・マネジメントの創業者でCEOの山内英貴氏に語ってもらった。GCIアセット・マネジメントは日本の数少ないヘッジファンド運用会社で、昨年は個人投資家向けの公募投信を投入、エンダウメント(大学財団)型の投資戦略を活用して好成績をあげている。山内氏はリーマンショックを早くから予見していた人でもあり、2007年から東京大学経済学部・大学院経済学研究科で非常勤講師を務めている。

個人投資家へのアドバイスは、まとめていえば、こういうことになる。第一に、本当の下げはこれから来るということを大前提に投資を考えること。第二に、そうした中で、リスクをとりすぎないようにして、余力を持っておくこと。第三に、債券に代わる保険になりうるもの、オルタナティブをポートフォリオに組み入れておくこと、併せて為替のリスクについて考えておくことだ。以下、説明していきたい。

金融市場は大きなクラッシュの到来に怯えている

2015年8月の人民元ショック、2016年1月のマイナス金利ショック、2016年6月のBrexit(英国のEU離脱)ショックと半年に一回ぐらい金融市場が大きく動揺している。何かあるたびに、金融市場が大きく動揺してしまうこと自体が、市場が脆弱になっていることを示している。今年1月の記事(『迫り来る「メガトン級の巨大危機」に備えよ』)でも述べたように、世界中で債務が積みあがり、とっているリスクが膨らんでいるため、何かイベントが起きればリスクを落とさなくてはならないという警戒感が投資家には強いのだ。

世界各国の中央銀行がマーケットフレンドリーに、市場にやさしくという金融緩和策をずっと続けてきた結果、米国の株価は最高値を更新し続け、債券価格も上昇して金利はゼロかマイナスになってしまっている。何かイベントがあると株価が下がり債券が買われるが、株価がその後に回復しても債券は売られない。債券価格は一直線で上昇を続けている。

上海では今年になってマンション価格が2倍になったという。これも中国政府が対策を打ち出しているためだ。資産価格が既に高値圏にあるにもかかわらず、大崩れしないように各国政府・中央銀行が政策によって支えている。

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