新入社員は早口で電話応対をしてはいけない 電話の取次・伝言で失敗しない5つのポイント

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そこで、まず、携帯電話に電話をする。電話に出たらそこで役割は終わるが、出なければ留守電に吹き込み、次は繋がりやすいショートメールか既読の機能があるLINEにも打ち込む。「電車の中ではたえず携帯をチェックしているので、これだけ伝達手段を使えば、どれかには気づきます」(稲原さん)。案件の緊急度によって、連絡手段は柔軟に考えたい。

早口になると相手も早口になる

作法4:大事なやりとりは、口頭ではなく文書で

電話でもっとも注意すべきは、口頭で発注してくるケースだ。「高齢の方や中小企業のオーナーなどには口頭で発注してくる人は少なくありません」とメーカーのFさん。

品名や数量、納期など間違えると大変なことになるので、メールやFAXなど、記録に残る形で受注するのが原則で、同社では電話のみでの発注は絶対に受けてはならないと決められている。ただ、あまりに杓子定規に断っても角が立つので、いったん聞いて、後日FAXやメールで正式に送ってくださいと念を押す手もある。

作法5:いちばん大事なのは、焦らずゆっくり話すこと

業種や部署によって、さまざまな電話応対の作法、メモの作法がある。新人はつい焦りがちだが、重要なのは、焦らずゆっくり話すこと。人間焦れば、どんどん早口になる。つられて相手も早口になり、聞き取るのが難しく、ますます焦りモードに入ってしまう。逆に自分がゆっくり話せば相手もゆっくり話すので、うまく聞き取れる。

あれこれやろうと考えず、まずは、電話取り次ぎの基本である名前をしっかり聞き取ろう。そこにはあらゆるエッセンスがつまっているので、それができれば、実はほとんどのことができるようになっている。

竹内 三保子 カデナクリエイト

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たけうち みほこ / Mihoko Takeuchi

明治学院大学経済学部卒業後、西武百貨店入社。紳士服飾部、特別顧客チームを経てフリーライターに。その後、編集プロダクション・カデナクリエイトを設立。流通業で培った顧客視点で執筆を行っている。共著に『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』『クイズ 商売脳の鍛え方』など。最新著に『課長・部長のための労務管理 問題解決の基本』(カデナクリエイト著・マイナビ出版)。

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