新入社員は早口で電話応対をしてはいけない 電話の取次・伝言で失敗しない5つのポイント

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作法2:聞き取れなかったら素直に聞き返す

新人が特に苦手なのは、相手に聞き返すことだろう。せっかく相手が名乗ったのに、聞き取れなかったことは自分の落ち度、相手に対して失礼だと感じるからだ。しかし、聞き間違えて後々大きなトラブルになるよりは、うまく聞き取れなければ素直に聞き返した方がいい。

「うちでは、4~5月の期間に限っては、新人に3回聞き返すように指導しています」とアパレルメーカーのCさんは話す。この時期は、どこの会社も新入社員がいるので、多少の応対のまずさは目をつむってくれる。その間に聞き返す練習をしておこうというわけだ。何回も練習すれば、次第に平気になる。要するに慣れの問題なのだ。

ちなみに、名前の聞き返しは、以下のようなカタチがオーソドックスだ。
「恐れいりますが、もう一度お名前をお聞かせいただいてもよろしいですか?」
「すいません。お電話が少々遠いようです。もう一度、お名前をお聞かせください」

相手の名前がうまく聞き取れていても、確認のために聞き返すのもいいだろう。聞き返しがスムーズにできるようになれば、電話対応への恐怖はほとんどなくなるはずだ。

間違えやすい発音は言い換えて確認

加えて電話番号やメールアドレスなどは、うまく聞けたと思っても必ず復唱したい。「4月」と「7月」など、似た発音のものは聞き間違えている可能性もあるからだ。復唱の際、「しがつ」「しちがつ」ではなく、4月を「よんがつ」、7月を「なながつ」と言い換えたりすれば間違いも起りにくい。

アルファベットもTとD 、PとE、MとNなど間違えやすい発音が多い。復唱には「アメリカのA」「イタリアのI」といった具合に、各アルファベットに対応した国名や地名などを使うところもある。「必要に応じてアルファベット対応表をつくって壁に貼りだしているセンターもある」と話すにはコールセンター大手のベル24の担当マネージャー・八木大介さん。約400人のオペレーターを教育する上では、基本に忠実なことが最善なのだという。自分用に対応表を作り、電話の横などに貼っておくのもいいかもれない。

作法3:書き込み式のメモを使用する

必要事項の聞き忘れを防ぐために多くの人がやっているのは、メモ帳にあらかじめ、「名前」「社名」「用件」といった書き込み欄をつくっておくことだ。市販のもの、ノベルティ(販促グッズ)などさまざまな種類があるが、意外に多いのがコピー用紙の裏紙の活用で、A4用紙で4枚分つくるというパターンだった。

ユニークなのは専門商社で働くDさんの部署。自分とマンツーマンで教える後輩用にも裏紙でメモ用紙をつくっている。

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