JR常磐線、5年4カ月ぶりの復旧で見えた現実

「原発事故」避難解除!全線運行へ一歩だが…

仮設の小高駅ホームに、上りの運転再開一番列車が到着

 2016年7月12日火曜日の0時。福島第一原子力発電所事故から5年4カ月ぶりに、南相馬市内の大半の避難指示が解除された。避難指示解除区域に含まれる常磐線の小高~原ノ町間9.4kmも運転を再開した。

同じ日、相馬発原ノ町行き(この区間は2011年12月21日に運転を再開)上り始発列車には、「ODAKA」と校名が入ったカバンを持った高校生たちが乗り込んでいた。南相馬市小高区(旧小高町)には2校、高等学校があったが、いずれも被災し、現在は同市原町区(旧原町市)内の仮設校舎で授業を行っている。

そのため、小高まで常磐線が復旧しても現時点では特に関係がなく、彼らも6時28分着の終点・原ノ町で下車した。来春以降、小高への高校の「帰還」も検討されていることであろう。

高校生の姿はまれな再開区間

小高~原ノ町間の運転再開記念式典は、原ノ町駅ホーム上で開かれた

小高行きの運転再開一番列車となった、相馬6時55分発・原ノ町7時14分発・小高着7時25分着の列車も、相馬方面からの高校生の利用が多かったが、やはり全員が原ノ町で下車。乗り込もうとする記念式典参加者や報道関係者との間で、人の流れが錯綜した。ローカル列車の主な利用者層は、全国どこでも、幹線・閑散線区関係なく、高校生や高齢者だ。彼らが、駅の主役であるべきではないかとも思った。

南相馬市長をはじめ、原ノ町駅2・3番線ホームで開かれた式典の参加者は、その一番列車で小高に移動。引き続き、同駅前で開かれた式典にも参加した。折り返しの、原ノ町方面相馬行きの一番列車に乗ろうとした高校生は、マスコミの格好の取材対象となっていた。それだけ珍しい存在だったのだ。

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