東京都知事を取り巻く「超複雑」な政治力学

参院選の次は新都知事誕生が焦点になる

7月8日、俳優の石田純一氏は「野党統一候補であれば都知事選に出馬する」と表明した(写真:田村翔/アフロ)

7月10日の参議院議員選挙が終わったかと思ったら、息つく暇もなく7月14日に公示される東京都知事選挙が始まる。

参院選公示直前に舛添前都知事が辞任したことから、参院選中に主要政党による都知事候補の絞り込みは進まなかったのだ。気がついたら公示日3日前になっていた。

結局、都知事候補は「熟考を重ねて公約を掲げる」ほどの暇もなく選挙戦に突入する。これでは、候補者同士の深い政策論議は期待できない。前の都知事、前の前の都知事のことを思えば、単なる人気投票で次の都知事は選びたくないという有権者の思いは、すでに裏切られそうである。

都議会との良好な関係を築けるか

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ともあれ、候補者のうち必ず誰かが当選して次の都知事になる。次の都知事は、複雑な政治力学の中での船出となる。都議会、特別区、多摩地域の市町、他の道府県、中央省庁と、時として利害が一致しつつも、往々にして利害が対立する。その利害対立を克服して、東京都民の生活環境をどう改善してゆくかが、東京都知事が果たす役割である。

まず、都議会議員との関係である。舛添前都知事も、都議会での審議で辞任に追い込まれた。わが国の地方政治は首長と議会の二元代表制(いわゆる大統領制)で、それぞれが直接選挙で有権者から選ばれる存在として、制度的には緊張関係がある。都知事の権限は強く、都知事が決断すれば多くのことが実現できる。その一端は、当連載の「舛添騒動の影響は大丈夫?『地域医療構想』 都民の健康を守る医療提供体制はどうなる」でも触れたところである。

ただ、実態は持ちつ持たれつの関係の場合が多い。つまり、予算を企画立案し、執行するのは知事であり、予算案を議決するのが議会である。都議会議員は自らの要望を都知事に受け入れてもらい予算に反映してもらい、都知事は自らの方針をも盛り込んだ予算案を都議会議員に議会で通してもらう。都知事に対して野党的な立場をとる会派に属する都議会議員は、都知事の失政を批判し追及するが、与党的な立場をとる会派に属する都議会議員は(見返りも意識しつつ)都知事をかばってくれる。

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