「円高で訪日客が減る」が絶対に間違いな理由

日本には為替に左右されない魅力がある

日本は「観光資源の魅力」さえ磨けば、観光客が増える国だ(撮影:梅谷 秀司)
「インバウンドが活況なのは円安だったから。円高に振れる今後は、『インバウンドバブル』は弾ける」
という説がある。しかし、それは「全体」を見ていない誤解だという。
書籍『新・観光立国論』や、その続編『国宝消滅』などで日本の観光政策に関する提言を続けているイギリス人アナリスト、デービッド・アトキンソン氏が解説する。

「円高になると外国人観光客が減る」は本当か?

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最近よく耳にするのは、日本で外国人観光客が増えたのは、「円安」が大きな追い風となったインバウンドバブルであり、「円高」になるにつれてこのバブルははじけてしまうという主張です。

確かに、2011年9月に1ドル76円だった為替レートが、訪日客数が過去最高を記録した2015年には1ドル120円台まで円安になったことを考えれば、そのように言いたくなる気持ちもよくわかります。実際、2011年から2016年までの為替と訪日客数の相関係数は約0.91でした。

日本でインバウンドが増え始めた2012年以降、円高から円安に転じています。この動向と、訪日客数の推移を単純に比較してみると、両者に強い相関関係があり、「円高になると外国人観光客が減ってしまう」という主張になりやすいのはよくわかります。

しかし、それは本当なのでしょうか。

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