新生東芝、しがらみない傍流社長の腹づもり

頼みの原発では外国人トップ起用で局面打開

「自己資本比率10%」の目標を掲げた東芝の綱川新社長(5月の社長交代発表会見で。撮影:梅谷秀司)

一連の不正会計問題を経て、東芝では、6月22日の株主総会後、室町正志氏が社長を退任、綱川智氏が新社長に就任した。室町氏は、赤字事業の売却や人員の削減などリストラを断行し、改革に一定のメドが立ったと判断。今後は特別顧問として東芝に残る。

一方、後任の綱川氏は、メディカル畑の出身。東芝メディカルシステムズの社長を務め、MRI(磁気共鳴画像)検査装置などの医療用機器を大きく育て上げた人物だ。が、従来の重電畑といった、いわゆる本流の出身ではない。

株主総会の翌23日、新社長に就く綱川氏が報道陣のインタビューに答えた。質問は多岐にわたったが、「原子力」「財務」の二つのテーマに注目が集まった。

原発はトップセールスできる人を

特に今回、人事で大きなトピックがあったのが、原子力である。東芝の原子力や火力、太陽光、送変電などエネルギー事業のすべてを統括する社内カンパニーの「エネルギーシステムソリューション社(エネルギー社)」のトップに、米原発会社ウエスチングハウス(WH)の社長を務めた、ダニー・ロデリック氏が就いたためだ。

エネルギー社は、東芝が掲げる3つの注力事業(エネルギー、半導体、インフラ)の1つであり、今後の成長を支える重要な部門である。米国の電力会社やGE日立ニュークリアーエナジーの副社長などを歴任した後、2012年9月にWH社の社長に就任。各社の原発を知り尽くしている。

WHの社長を務めていたロデリック氏を東芝本体に招聘した理由について、綱川社長は「エネルギー社の従業員の60~65%が海外の人材。市場自体も日本はほとんどなく、インドなど新興国や欧州が中心のグローバルビジネスだ。トップセールスのできる人間が主体となって活動するのが自然」と説明した。

また、ロデリック氏が引き続きWHに残る形ではダメだったのか、との問いに対しても、エネルギー関連の技術は日本にあるので、日本を主体にやっていく。WHには新しい社長を置いた」と返答。市場は海外だが、技術開発は日本中心に進めていくことを強調した。

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