(第5回)インターンシップ最前線(企業編)~発展途上、未熟なバブル~

(第5回)インターンシップ最前線(企業編)~発展途上、未熟なバブル~

福井信英

 最近、「インターンシップの導入」に関する相談を企業の人事担当者、及び大学関係者の方から受けることが多くなってきた。企業でのインターンシップの導入が始まってから既に多くの年月がたっているが、この10年は「何のためにやるのか」「企業・学生双方にとって価値ある活動なのかどうか」それを問い続ける試行錯誤の10年でもあった。
 しかし、ここにきてようやく、「企業の採用活動の一環として、インターンシップの導入が合理的」な時代になってきたと思われる。もちろん、学生にとっては、インターンシップという制度が、「学んだことを実践し、自らの力を高め、将来のリスクに備えるために合理的」な制度であることは今も昔も変わらない真実だ。

 本コラムでは、インターンシップが企業・学生にもたらす価値について述べていこうと思う。私としては、私自身が学生時代に大変有意義なインターンシップ体験を積ませてもらったこともあり、学生にとってのインターンシップの価値について話していきたいが、充分な深さでその価値を語るためにも、まず今回は、インターンシップに関する企業の取り組みの現状について見ていきたい。

 昨年(2009年卒採用)は、インターンシップ実施企業が急増した年であった。これは、2009年卒学生の大卒求人倍率が、2008年卒学生に引き続き求人倍率2.14倍を記録し、2年続けての空前の売り手市場となったことと深い関係がある。(
 団塊世代の大量退職に伴う人員補充の必要性は今年に始まったことではないが、2008年卒の新卒採用では、多くの企業の人事担当者が急激な売り手市場化に戸惑い、混乱・苦労の経験をした。その反省を踏まえ、2009年卒の新卒採用では、各社が早期から対策を練った。即ち、インターンシップを通じての採用活動を本格化させることになったのである。

 その影響は、学生一人あたりが体験するインターンシップの数に顕著に現れている。2008年卒を対象としたジョブウェブの調査では、インターンシップを体験した学生のインターンシップ応募社数は、3社以上と回答した学生が全体の半数程度(54%)だったのに対して、2009年卒対象の調査では8割(81%)を超えた。
 また、インターンシップ体験社数に関しても、2008年卒を対象とした調査では、3社以上体験したという学生が全体の27%であったのに対し、2009年卒を対象とした調査では全体の約半数(52%)が3社以上のインターンシップを体験しているという結果になっている。

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