「舛添辞職」で誰が次の東京都知事になるのか 橋下、石原、蓮舫、池上彰…出馬するのは?

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では、やはり現職の国会議員の中から候補者が出るのだろうか。可能性のある議員は誰か。浮上するのは、まず与党系では石原伸晃氏(経済再生相)だ。父が元都知事なのだから、そもそも猪瀬直樹氏が都知事を辞任した後釜でもよかったという声もあるくらいだ。

ただ「親子での東京都政」となると世襲批判、私物化批判が出てくるし、本人も安倍首相の人気が最近一時ほどではないという事態を見て、国政への再度の色気も出ているはずだ。 

同じ与党系で小池百合子氏(元防衛相、衆議院議員)はどうか。初の女性総理候補と言われながらなれずに終わりそうで、大臣よりは都知事の椅子がいいという考え方もある。本人もまんざらではないだろう。だが、肝心の自民の中に推す声が少ない。

まさかの小泉進次郎氏(農林部会長、衆議院議員)の出馬をうわさする人もいる。街角では待望論もあるが、進次郎氏の視線は2020年東京五輪後の国政に向いており、現在は「爪を研いでいる」最中。可能性はゼロだろう。

蓮舫氏、長妻氏に続く可能性のある人物とは?

では野党系はどうか。民進党で可能性のある候補者は三人。まっさきに上がるのは蓮舫氏(党代表代行、参議院議員)だ。2010年の参議院選挙では東京選挙区で過去最高の170万票を獲得している。基本的には国政で自分の力を発揮し、将来の総理を狙うスタンスだが、どう出るか。ここで一つあげておきたいのは、自己主張が強いタイプだけに、出馬して当選したとしても、自公が過半数を占める都議会と、どういう形で向き合うのかが課題になりそうだ。

もう二人。まずは同じく党代表代行の長妻昭氏(衆議院議員)はどうか。可能性はあるが、人気や知名度の点で、残念ながら都知事レベルには達していない。「質問力」はあっても、「攻撃型」「野党型」の政治家は、残念ながら都知事のタイプではない。

残るもう一人は長島昭久氏(副幹事長、衆議院議員)。石原伸晃氏の秘書をしていたこともある経歴を持ち、自民党から出るか旧民主党から出るか、迷って後者にした政治家だ。民主党時代には防衛副大臣の経験もあり、実務能力面でも評価が高い。知名度についてはもう一つなのだが、政策面では自公に近く、与党としても組みやすい。出馬の可能性があるかもしれない。

いずれにしても、国会議員となると、舛添氏と同じレベルとは言わないものの、政治資金の問題で、叩けば埃が出るような公私混同問題をどこかに抱えている議員は多い。今回は特にメディアの厳しいチェックに耐えられるような人でないとダメだ。

もちろん、今回挙げた人以外にも立候補する人はいるし、今後、意外な人物が出てくる可能性もありそうだ。また、結局のところ「なんだ、あの有名人しかないのか」ということになるかもしれない。だが「東京都知事候補」という「土俵」に立てる条件はそんなに甘くない。実質一カ月前後で自らの「人となり」や「政策」を伝えることは至難の技。有名人でなければ、戦えないどころか、土俵にさえ立てないことを覚えていただきたい。

有馬 晴海 政治評論家

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ありま はるみ

1958年 長崎県佐世保市生まれ。立教大学経済学部卒業。リクルート社勤務などを経て、国会議員秘書となる。1996年より評論家として独立し、テレビ、新聞、雑誌等での政治評論を中心に講演活動を行う。政界に豊富な人脈を持ち、長年にわたる永田町取材の経験に基づく、優れた分析力と歯切れのよさには定評がある。ポスト小泉レースで用いられた造語「麻垣康三」の発案者。政策立案能力のある国会議員と意見交換しながら政治問題に取り組む一方で、政治の勉強会「隗始(かいし)塾」を主宰し、国民にわかりやすい政治を実践している。主な著書に「有馬理論」(双葉社)、「日本一早い平成史(1989~2009)」(共著・ゴマブックス)「永田町のNewパワーランキング100」(薫風社)、「政治家の禊(みそぎ)」(近代文芸社)など。

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