伊藤忠が乗り出す「全員健康経営」とは何か ライザップで鍛える岡藤社長の「働き方改革」
念願のトップ商社となった伊藤忠商事が、打ち出したのは“健康経営”だった。伊藤忠は、6月1日から岡藤正広社長の肝いりで「伊藤忠健康憲章」を制定。20代~30代の若手社員を中心に新たな働き改革を打ち出す。
ウェアラブル端末で社員の健康を管理
目玉となるのは、若手社員の食事・運動サポートだ。メタボなど健康診断で毎回、再検査ぎりぎりとなるような20代~30代の成人病予備軍の社員約100人を対象に、本人了承の上、腕時計型のウェアラブル端末を支給。睡眠時間、血圧数、脈拍、歩行数などのデータを24時間集計し、看護師から医学的なアドバイスを受けるなど健康への意識を高める。
このほか、スマートフォンで自身の食事の写真を撮影して、オンライン上で専用の管理栄養士と相談することもできるようにする。こうした情報は、社内イントラネット上に新設されるマイページでいつでも閲覧でき、各自に健康管理を促す。今年秋口ごろからスタートし、健康対策費として2016年度に数千万円を予算化する見込みだ。
2018年4月からは自社で独身寮を新設して、新入社員の健康管理を徹底する。伊藤忠は現在、会社借り上げで成城(世田谷区)、鷺沼(川崎市)などに4つの男性独身寮があるが、通勤に比較的時間がかかり、同社が導入している朝方勤務に支障が出たり、退社後に外食をしたりするなど若手社員が不摂生をしがちだった。
場所は現時点で未定だが、新規の独身寮は港区青山にある伊藤忠の東京本社まで30分圏内と近接地で、360名入居できる大型施設となる予定。借り上げだった既存の4つの寮は廃止する。
土日も含め、栄養バランスに留意した食事を提供するほか、先輩社員や同期社員との縦、横の交流を深める狙いだ。2018年4月以降に東京本社へ配属予定となる新入男性社員(100名程度)は入社後、全員が原則この独身寮に入居することになる。
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