伊藤忠が乗り出す「全員健康経営」とは何か ライザップで鍛える岡藤社長の「働き方改革」

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岡藤社長は、総合商社で初となる朝型勤務(9:00~17:15勤務、残業は原則20時以降禁止)を2014年に正式導入。取引先などとの会食は1次会、22時(午後10時)までとする「110運動」を打ち出すなど、昼夜関係なく働くイメージが強かった総合商社で異例の働き方改革を次々に行い、一人当たりの生産性を高めていった。

伊藤忠の単体社員数は4279人(2016年3月末時点)と総合商社で最も少ないが、1人当たり売上総利益や連結純利益は大手の三菱商事や三井物産に大きく差をつける。直近の2016年3月期にはライバルが資源価格の下落で苦戦する中、純利益で初の総合商社首位の座を勝ち取った。

"健康経営"は社長の肝いりプロジェクト

岡藤正広社長はライザップで体を鍛えている(撮影:今井康一)

次に目をつけたのが、“健康経営”だったのには伏線がある。岡藤社長はトレーニングジム「ライザップ」を運営する健康コーポレーションの瀬戸健社長と個人的な交流があり、今年初めからライザップに通い出した。

懇親会などの場でも血糖値を抑制するためにビールや日本酒をやめ、ワインを飲むなど食事制限を進め、5キログラムの減量に成功した。ライザップにはまり自ら業務への効果を実感した岡藤社長が今般、自社の改革に応用した格好だ。

岡藤社長は、かねてから「築城3年、落城1日」と話すなど、総合商社首位を維持するため、社員の能力活用に余念がない。今年度からは政府が進める「1億総活躍社会」をもじった「全社員総活躍企業」を中期経営計画のスローガンに標榜し、社員一人当たりの収益力を一段と高めようと動く。

はたしてどれほどの効果があるのか。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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