12月から、ついに今年も就職活動の幕が切って落とされた。2014年春卒業予定の大学3年生と大学院修士1年生のみなさんは気合いを入れているところだろう。中には、もうすでに不安になっている人もいるかもしれないが。
就活時期に突入すると、好き嫌いに関係なく周りでは「自己分析」という言葉が頻繁に飛び交う。
しかし、「今までそんなこと考えたこともなかったのに突然困る……」と途方にくれる人もいるだろう。普段、あまり自分自身と真剣に向き合うことのなかった多くの学生にとって、とても貴重な時間となる人も多いかもしれない。
一方で、私の場合は仕事柄、取材で企業の人事と話す機会が多い。自己分析の意義について、企業の人事担当者の多くは「それが狙い。自分自身ときちんと向き合った学生を採用したい」と語る。多くの学生が自分の歩んできた人生に自信をもてなくなるつらい時期だが、一方で採用する会社側は自分自身と向き合い、自分の強みを積極的にアピールできる人材を求めているのだ。
その企業ニーズに、実は自分の「性」について悩み苦しんできた多くのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダーなど)の学生こそ、合致する場合があるのではないか。
今回のテーマは、前回の予告通り日本でのLGBT就職事情について考えてみたい。
LGBTの学生こそ人材の宝庫
「なんだかんだ、日本社会ではまだまだLGBTはタブー視されている。就活でカミングアウトをしたところでマイナスにしかならない」と、今年、就活を開始したばかりの都内私立大学に通うレズビアンの大学生は言う。
しかし、LGBTの学生こそ、企業が必要としている人材が多いのかもしれない。前回の連載でも紹介したゴールドマンサックスのように外資の中にはLGBT学生専用のセミナーを開くなどLGBTに注目する企業も出てきている。
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