20年後、仕事の半分は公務員になる

藤原和博(その3)

過去10年、日本の仕事をめぐる状況は様変わりした。
『10年後に食える仕事 食えない仕事』。仕事の未来をマトリックスで4分類している。
インド、中国では毎年数百万人単位でハングリーな大卒者が誕生。また、ネット・通信環境が 大きく改善したことで、定型業務やIT開発を新興国へアウトソーシングできるようになった。仕事の枠を日本人同士で争っていればよい、という時代は終わっ た。さらに、人口減少に伴う国内マーケットの縮小も追い打ちをかけている。
これから日本の仕事はどう変わるのか? 10年後にも食えるのはどんな仕事なのか。当連載では、ベストセラー10年後に食える仕事 食えない仕事の著者であるジャーナリストの渡邉正裕氏が、"仕事のプロ"たちとともに、仕事の未来像を探っていく。

(司会・構成:佐々木紀彦)

【対談(その2)はこちら

――第2回目の対談では、バングラデシュ、石巻で活躍する若者の中から、新しい向上心の形が生まれているという話になりました。活きのいい人ほど、既存の組織から飛び出してしまうのは、なぜでしょうか。今の組織の中では、人は成長できないのでしょうか。

藤原:私の感覚では、会社が人を育てなくなっているんですよ。渡邉さん、そう思わない?

渡邉:そうですね。それは間違いない。

藤原:今の会社は、アウトソースをしすぎているし、ムダをそぎ落として余計なことをしなくなっている。「ムダをやらない」「失敗もさせない」では、人が育つわけがないですよ。  

だから私は、会社組織にいる人よりも、石巻やバングラデシュにいるような、既存の枠組みから滲み出ている奴ら、「滲み出し組」に期待しているの。

前回、バングラデシュで活躍している税所篤快を紹介したでしょ。彼に対して、世の中の大人はみな余計なアドバイスをするんだ。「日本に戻ってきて、足立区の区長に立候補しなさい」とか(笑)。

でも私は、「それは絶対ダメ。日本の中枢からはなるべく遠ざかれ。それよりも、とにかく10年以内に、お前が20代のうちに『ニューズウィーク』や『ビジネスウィーク』の表紙を飾れ。そしたら、俺はびっくりしてあげましょう。『週刊東洋経済』や『日経ビジネス』に載って満足してるようじゃダメ!」と言ってるの。

渡邉:でも、そういう「滲み出し組」が、社会の主流になることはありえないですよね。一定の数には増えるとしても、あくまで社会の中では例外でしょう。「滲み出し組」が日本の雇用を支えていくという感じにはならないですよね。

藤原:確かに、主要産業にはならないですよね。だから、世界で戦える一部の企業に、圧倒的な利益を稼ぎ出してもらわないといけない。つまり、ユニクロや楽天が国際化して、いったいどこまでいけるのか、という話じゃないの。

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