サミットは好感度アップのためのイベントだ

同日選挙はやらないふりして「やる」とみる

サミットは好感度アップのためのイベントともいえる(写真:picture alliance/アフロ)

参院選に合わせて衆院を解散する「衆参同日選挙」はあるのか。安倍政権の「官報」とも言うべき『読売新聞』が25日の朝刊と夕刊の両方で、同日選挙見送りと大きく報じている。

新聞読みの定石では「読売に載っていて、朝日が書いていない安倍政権ネタは実現する」と読むのだが、今回は、むしろ「同日選なし」と言っておいて、後で豹変する「死んだふり解散」のパターンではないか、と筆者は思う。仮に同日選での解散を決めているとしても、解散はぎりぎりまで引っ張る方が衆院一人区での野党の選挙協力がやりにくい分、与党側に有利だ。意図的に「やらないふり」をする理由は十分ある。

もっとも、この問題は裏の取りようがないので、推移を見るしかない。 最大野党の民進党は、同日選の可能性に危機感を覚えたのだろう。国会の党首討論で、岡田代表が安倍首相に消費税率引き上げの延期を提案し、参院選のマニフェストにも増税延期を加えるという。

消費税は延期以外の選択は困難に

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これで、消費税というイシューに関して、民進党側が一方的に劣位に立つ可能性は軽減されたが、サミット前後の報道で、仮に安倍政権が消費税率引き上げの延期を決断したことが伝わると、それ自体が、安倍政権の英断であるかのように伝わり、野党の存在感が霞む可能性はある。今や、消費増税は延期されると見る向きが多数派だろう。この期待を裏切る時のネガティブな効果は読みにくいし、選挙にも響く。消費税については、政治的にも経済的にも延期以外の選択は難しくなっているのではないだろうか。

民進党は、消費税率引き上げの延期を決めるとすると、それはアベノミクスの失敗を意味するとのロジックで与党を攻めるつもりのようだが、これは民主党政権時代の経済政策を思い出させる下策だろう。実質的に2012年末に始まったアベノミクスによって、旧民主党政権時代よりも失業率が1%程度改善しているし、株価も上がっているので、不満はあるが「民主党時代よりはマシだ」というのが、大方の国民の認識だ。

野党側にとっては、消費税率引き上げの延期を要求することはそれ自体が正しいので当然だとしても、「アベノミクスは失敗だった」と実は不利なテーマで論戦するよりも、仮に同日選が行われる場合は「熊本の震災復興が大事な時に総選挙は不見識だ」という点、さらに「平和憲法を変える必要は無い」という憲法・安保の問題など多数の賛成を得やすいテーマで戦うべきだ。

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