「利上げ期待」で上昇した米国株の向かう先

注目されるイエレン議長の利上げへの言及

経済指標を好感し24日のNY株は大幅反発した(写真:ロイター/アフロ)

日本株の膠着感が強まっている。サミット後に出てくると考えられる政策をにらんだ動きともいえる。安倍首相はサミットで、メインテーマであった財政出動に関する合意を狙っていたが、すでに欧州各国への訪問での説得に失敗しており、結果が見えている。こうなると、次の手を考える必要がある。安倍首相は、「衆参ダブル選挙はしない、消費増税先送りもしない」と明言しているが、これを真に受ける市場関係者はいないだろう。サミット後の来週以降は、さすがにレンジ相場から抜け出し、相場が動き出すことになりそうである。

25日の引け時点では、日経平均株価はこれまでのレンジ上限である1万6800円を上抜けることができていない。ここは、これまで何度も打たれている水準である。したがって、1万6800円を明確に上回れば、相応の上昇相場になるであろうこと容易に想像がつく。この水準は、日経平均採用銘柄の一株当たり利益(EPS)が1194円とした場合の、株価収益率(PER)14倍の水準に相当する。現在の株式市場は、PER13倍から15倍の水準で推移しているようにみえる。そうであれば、日経平均株価は1万5500円から1万7900円のレンジで推移す可能性が高いとの見方になる。

日本株の中心レンジは110円=1万6500円

市場の期待が高ければ、予想PERを引き上げて、前期のように16倍という目標も立てられるのだろうが、円高リスクなどもあり、企業業績や株価上昇への期待が高まりづらい。また、2016年3月期の決算が終わったばかりで予想EPSがすぐに修正されることもないため、企業のファンダメンタルズを背景とした基準により投資判断を行うのは非常に難しい。そのため、前回の本欄でも解説したように、過去のドル円と日経平均株価の関係をよく見ながら対応することが肝要だ。つまり、「110円=1万6500円」を中心レンジ、「115円=1万7500円」を当面の上値、下値は「105円=1万5250円」としておくとよい。

一方、米国株は堅調さを取り戻しつつある。24日の市場でダウ平均株価は前日比200ドルを超える上昇となり、利上げを織り込むかのような動きになっている。先日発表された、4月のFOMC議事要旨では、利上げに関して活発な議論がなされ、6月あるいは7月利上げの可能性が示されたことに、市場は大いに驚いた。それまでのFRB高官の利上げに関する積極的な発言は、実際に利上げの可能性が高いことを示していたことが確認できたことになる。

しかし、これらの発言も、イエレン議長がそれに同意しているかによって、その価値が大きく異なるものになる。4月のFOMCの前には、FRB高官が同様に利上げの可能性を示唆していたが、FOMCを前にイエレン議長がその可能性を一蹴したことは記憶に新しい。

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