留学「飛躍組」は"準備力"がここまで違った 渡航前に必ず知っておきたい「3つの成功例」

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インターン先はサンフランシスコのIT関連企業。胸を膨らませて渡航したものの、参加前のイメージと大きく違い、データ入力などの単調な業務しか任せてもらえません。しかも周りの社員に話しかけようにも、みんな忙しそうで、まったくかまってもらえないのです。

彼の参加前のイメージは、オフィスでは同僚同士が和気あいあいとコミュニケーションをとり、自分も重要な仕事をバンバン任される……というものでした。しかし現実は、席もパーテーションで区切られていて、1日上司以外とは話さずに終わる日が何日か続きました。

意気消沈していた彼ですが、働き始めて1週間が過ぎた頃、「仕事は自分で勝ち取るもの」という海外のビジネスカルチャーに気づき始めます。そこから、彼は変わりました。週次ミーティングで日本のクライアント向けにSNSで情報発信することを提案、そのタスクをきっかけに少しずつ周囲との距離を縮めていったのです。

夏休み中ということでインターン自体は1カ月半と短かったものの、彼にとっては、海外の中での自分の立ち位置や、欠けている能力・視点を自覚するヒントとなったようです。

その後は、交換留学で1年間シンガポールの大学に留学。世界中から優秀な教授、学生が集まる場所で、ハイレベルな講義、最新のICT環境に恵まれ、毎日が刺激的だったといいます。大学で勉強していた中国語(北京語)にも磨きをかけ、帰国しました。

結果、就活では外資系シンクタンクと総合商社に内定をもらい、晴れて商社に入社することに。アメリカのインターンシップで「挫折→気づき」の経験ができたこと、そしてそこで終わらせず、さらに留学を重ね座学を深められたことに、彼が夢を叶えられた秘訣があったように思います。

退路を断って、再チャレンジに乗り出した

社会人留学での成功事例を探してみると、現職の仕事をさらにバージョンアップさせるために海外留学に挑戦する方が多く見受けられます。次にお話するAさんも、そんな一人です。

■成功留学パターン2:Aさん(28歳女性・食品メーカー勤務)の場合

都内の食品メーカーで営業を担当しているAさんは、取引先からの信頼も厚く、社内の評価も高い「デキる社員」でした。ただ入社から数年が経つと、新入社員の時のようなやりがいを感じられなくなります。希望しているマーケティング本部は非常に狭き門のため、なかなかチャンスが巡ってきません。

このままでは人生、後悔してしまう……。そう思ったAさんは、惜しまれつつも会社を辞め、海外留学でマーケティング経験を積んでから帰国し、再チャレンジすることを決意しました。

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