国内にとどまらず海外でも拡大中のユニクロ。そのユニクロを擁するファーストリテイリング(FR)でいま急成長しているのが、低価格のファッション専門店ジーユーだ。
ジーユーは、ユニクロの半額近い価格で、流行のファッションアイテムが手に入る和製ファストファッションとして、10代を中心とした若い女性にファンが急増。2011年8月期には売上高580億円と、前期から1.8倍に拡大。今期は新店を60店(前期35店)へと積み増しアクセルを踏む。
国内ユニクロで既存店が減収になる中、ジーユーの既存店は3割以上の増収ペースが持続。FRの柳井正会長兼社長をして「気味が悪い」と言わしめる絶好調ぶりで、FRグループでもっとも期待されている事業だ。
社長をうならせた豪腕ぶり
そんなジーユーが11月2日、銀座の老舗ファッションビル、プランタン銀座に出店した。これまでもジーユーは、ユニクロ撤退後に出店した銀座店や、千葉県津田沼のパルコに出店した例はあるが、あくまで基本はショッピングセンターや総合スーパー内が主だ。
一方、プランタン銀座は20代女性にとってファッションのメッカである。ジーユーの柚木社長ですら「まさかジーユーが出店できるとは」と身構えるほどの一等地なのだ。
プランタン銀座店は、戦略的にも重要な意味を持つ。現在、ジーユーのメイン客は10代の女性だが、この層だけでは成長にも限界がある。そこで、最もファッションへの消費金額が多いF1層(20~34歳)にも売れるブランドへの転身をジーユーは狙っており、その起爆剤と位置づけられているのが同店だ。
この重要拠点の店長に抜擢されたのが、8月まで茨城県の下妻店を新店から立ち上げ、軌道に乗せた坂本智美氏(27歳)だ。
彼女を抜擢した理由を、柚木社長はこう語る。
「ファッションが大好きで、それを多くの人に届けたいと強く思っている。その一方、売上高に対する執着心がものすごくて、必ず目標をクリアしてくる。この両面性を持つのが彼女だった」
ジーユーに200人近くの店長がいる中で、社長自らが評価を話せるほどに、坂本店長の豪腕ぶりは社内でも有名だ。
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