国内で怒濤の出店、好調ジーユーの死角

国内で怒濤の出店、好調ジーユーの死角

低価格ファッション専門店のジーユーが存在感を強めている。9月上旬に開かれた同社の事業戦略発表会。柚木治社長は集まった報道陣を前に「ファーストリテイリンググループの成長はジーユーが引っ張る」と言い切った。

実際、ジーユーの2012年8月期の売上高は前期比1・8倍の580億円に拡大。グループでは、高級ラインのセオリーを抜き、ユニクロに次ぐ2番目の規模に成長した。

とはいえ、ここまで一本調子で伸びてきたわけではない。2006年の誕生当初からファッション性と低価格を強みに掲げていたが、ユニクロの7掛けという中途半端な安さと、アパレルメーカー任せの商品設計が消費者に受け入れられず苦戦。09年には990円ジーンズなど、ユニクロの半額でベーシック衣料を投入する戦略に切り替え、一時は成長を手にした。しかし、ユニクロとの自社競合に苦しみ、再び売り上げが低迷するなど試行錯誤が続いていた。

転機が訪れたのは昨年3月。「立ち上げ当初の計画がしっかりできていなかった」(柚木社長)と、自社企画をベースにしたファッション性の高いアイテムへの回帰を決めた。H&Mやフォーエバー21などの進出でファストファッションが根付いたことも追い風となり、ここからジーユーの快進撃が始まる。12年8月期はマキシワンピースの大ヒットなどで、既存店売上高が前期比35%増に拡大。「ユニクロと同等のポテンシャルがある」と、柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長に言わしめる存在になった。

今後の出店計画からも、同社の国内でのジーユー強化戦略が見て取れる。主力業態であるユニクロはすでに店舗数が820店を超え、新店出店余地は限られている。対してジーユーの店舗数は177店。こうした中、今13年8月期は新たに60出店(前期は35店)を計画する(図)。また、東京や大阪などの主要商業地での出店が遅れていたが、10月には東京新宿にオープン。今後も「都心部への出店を加速する」(柚木社長)と意気込む。


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