1年後、決算短信からBSとPLが消える?

中身より速さを優先、ディスクローズ後退か

来期からは決算短信も表紙1~2枚のサマリー情報だけになるのか(5月13日に決算発表がピークを迎えた東証で。写真:共同)

決算短信から財務3表が消える?ーー。

4月18日、企業の情報開示の効率化を検討していた、金融審議会の「ディスクロージャーワーキング・グループ」(以下、WG)が報告書を公表。この中に、決算短信から財務3表(貸借対照表=BS、損益計算書=PL、キャッシュフロー計算書)が消えかねない提言が含まれている。

このWGは、2015年6月公表の「日本再興戦略改定2015」(通称・成長戦略2015)に謳われた、「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進」のための課題検討を目的に、2015年11月に発足した。

「投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するため」の検討課題に、株主総会日程の適切な設定などとともに挙げられていたのが、開示情報の重複排除だ。成長戦略2015に盛り込まれていたのは、開示時期が近接している四半期短信と四半期報告書の統合の検討だったが、この件は先送りされ、代わって遡上に上がったのが、決算短信の大幅簡素化なのである。

今でも開示義務は「サマリー情報」のみ

このWGのメンバーには、開示の主体である企業側を代表する形で、日本経団連の小畑良晴・経済基盤本部長や日立製作所の逆瀬重郎・財務統括本部顧問らが、そして開示資料を利用する側として、証券アナリスト協会や機関投資家を代表する形で、みずほ証券の熊谷五郎・経営調査部上級研究員や、東京海上アセットマネジメントの大場昭義社長らが名を連ねている。

金融庁のHPにアップされている議事録や参考資料を見る限り、財界と証券界の見解は真っ向から対立している様に見える。最終的に四半期開示の廃止に持ちこみたい財界と、それを阻止したい証券界。その思惑がすれ違っている。今回は、証券界が短信の大幅簡素化という形で議論をすり替えたことによって、財界に一矢報いた感がある。

現在、決算短信のうち、上場会社に”開示義務”があるのは、実はサマリー情報のみだ。サマリー情報とは、1ページ目と、発行済株式数などが書かれた2ページ目のこと。それ以降の目次付きの部分は、実は任意開示だが、取引所の”要請”に従って、全上場会社が開示している。

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