株価がむしろ持ち直し始めている2つの理由

懸念も行き着くところに行けば反転に向かう

「引き潮はいずれ満ち、新月は膨らむ」と思えるか(写真:marusja/PIXTA)

前回のコラム(5月1日付)で、当面の国内株式相場は「二番目に暗いところ」を通過するだろうと述べたが、日経平均株価はゴールデンウィークの狭間に下押しした後、やや戻す展開を見せている。

株価も米ドル円相場も下押し(為替の場合は米ドルの下押し、円の上振れ)が懸念したほどではなく、限定的だったという印象だ。「二番目に暗い」と語ったのは、4月の1万5700円水準を小幅割れ、2月に次ぐ深押しになることもありうる、との慎重な見込みに基づくものであったが、連休の合間の5月2日と5月6日にザラ場で1万6000円を若干下回るにとどまり、実際には「三番目に暗いところ」を通過する結果となった。

株価の下押しが浅く、むしろ持ち直しに入り始めた理由は2つある。1つは米ドル円相場の持ち直しだ。特に6日発表の4月の米雇用統計で、注目される非農業部門雇用者数が前月比16万人増にとどまり、大台の20万人を下回ったにもかかわらず、米ドルの下ブレが短時間で小幅だったことは、目を引いたのではないだろうか。

ポジションがいっぱいになれば減るしかない

この理由として、時間当たり賃金の伸びが堅調だったことを挙げる向きもあるが、それより、すでに投資家が円をパンパンに買ってしまっていた、という要因が大きいのではないだろうか。シカゴ円先物のポジション(非商業筋、金融機関の対顧客ポジションのヘッジを除いた、投資・投機によると推察されるポジション)をみると、円の売り残高と買い残高の差は、最近は買い越し超が続いている。しかも過去の推移と比べれば、買い越し幅は高水準だ。

このため、米ドル安・円高の材料が出ても、すでに円を買ってしまっているため、それ以上円を買い進めにくい、という状況になっていたものと推察される。円買いのポジションが、いっぱいになってしまえば、そこからはむしろ円買いが減るしかない、ということだったのだろう。

もう一つの企業収益についてだが、足元の決算発表を眺めると、もちろん個別には好業績企業もあるが、総じて冴えない。特に11日(水)引け後のトヨタについては、円相場の前提を平均1米ドル105円として、2016年度営業利益が4割減になる、という企業側の見通しが公表された。市場では、事前には、105円前提で2割減という見解が主流であったため、ネガティブサプライズとの解釈が妥当だったろう。

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