私が「日本株はもう一段下がる」と考える理由

再び強まる円高圧力、米国株にも黄信号

かねてから「日経平均1万4000円割れ」の懸念を指摘していた筆者。円高定着の懸念が高まってきたことで、比較的早く現実のものになる可能性も(写真:AP/アフロ)

4月27・28日の日銀金融政策決定会合での政策導入見送りは、市場に大きなショックを与えている。5月2日の日経平均株価は前週末比518円安となり、辛うじて1万6000円は維持したが、3日からの3連休の期間中に再び円高が進む可能性があり、海外市場の動向には引き続き注意が必要である。

残念ながら日経平均1万8000円回復は「夢物語」に

市場のショックが大きくなった原因は、今回の決定会合で新たな政策導入が決定される可能性を示唆する一部の報道であった。市場の期待が膨らんだことによる反動で、下げ幅が大きくなったとの指摘もある。

しかし、冷静に見れば、株価上昇を正当化できる材料はほとんどなかったのであり、政策導入に関係なく、上値は限定的になっていただろう。というのも、日経平均採用銘柄の1株あたり利益(EPS)はすでに1100円を割り込んでいたからだ。

標準的な株価収益率(PER)を15倍とした場合、日経平均株価の中心的な水準は1万6500円となる。たとえPER16倍まで買われても、上値は1万7600円である。筆者は毎日配信している有料メルマガで、「1万7600円以上は超割高であり、売り場である」と明確に指摘していた。

実際、筆者は会合前の戻り局面で1万7600円までの戻り局面ですべての買いポジションを利益確定し、ポジションを解消した状態で決定会合を迎えた。出来れば売り持ちにして決定会合を迎えたかったが、万が一政策導入が行われ、割高を買う投資家が出てきた場合に備え、1万7600円での売りポジションの構築を見送ったのである。結局、政策導入は見送られ、28日の市場ではランチタイムに先物価格が急落し、その後の現物市場でも売りが殺到したことで、1万7000円を大きく下回るところで引けることとなった。

それでもなお日本株には割安感はない。今後はEPSの下方修正が必至の情勢であり、1100円のEPSを前提として考えることはできない。いずれ1050円程度まで調整が進む前提で考えているが、その場合にはPER15倍で1万5750円、16倍でも1万6800円である。1万7000円以上はもちろん、1万8000円以上はもはや夢物語である。

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