たった1通のメールで営業部長がクビ寸前!
山田昭男氏が創業した未来工業は、「社員が日本一幸せ」な楽園企業として有名。1日の就業時間は7時間15分で、残業禁止が原則。休みが日本一多いといわれ、5年ごとに会社負担で海外へ豪華社員旅行に行くなど、至れり尽くせりだ。
「とにかく社員を大切にすること」で有名だった山田氏だが、実は中間管理職にはめちゃくちゃ厳しかったことは、あまり知られていない。平社員に残業や休日出勤を強制したり、上司風を吹かせて部下を管理しようとした管理職は、部長クラスでも平気で3~4時間叱り続けたという。
実際に、たった1通のメールを全国の営業マンに出したことで山田氏から幹部会で長時間糾弾され、あわやクビ寸前だった営業部長と営業課長もいたほどだ。
その“二重人格”ぶりについて尋ねたところ、「身内の恥をさらすようだが」と断ったうえで、生前の山田氏は筆者にこう語った。
「ワシは創業から50年近く『管理するな!』と言い続けてきたが、少し気を許すと『部下を管理したがる上司』が出てくる。それだけ人間の『管理したがる本能』は凄まじい。だから、叱り続けるしかないんや」
とはいうものの、管理職が「自分の部下をある程度、管理する」のは仕事のひとつのように思える。なぜ、山田氏はそこまで「管理したがる上司」を忌み嫌ったのか?
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