楽園企業は「バカ管理職」にはとことん厳しい

平社員には「楽園」だけど…そこまでやる?

社員には優しい山田氏だが、管理職にはとても厳しかった(撮影:今 祥雄)
「社員が日本一幸せ」とも言われる未来工業(岐阜県にある電気・設備資材メーカー)。同社は、1日7時間15分就業で残業禁止が原則。年間休日数が140日&有休最長40日で、休みの多さが「日本一」という声もある。しかも驚くほどの高年収で、海外への豪華社員旅行などもあって「楽園企業」と呼ばれる。
同社創業者の山田昭男氏は一昨年他界したが、遺作となった『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』は、いまも注目を集めている。
実は、山田氏は社員には優しい反面、管理職にはメチャクチャ厳しかった。とくに部下を管理しようとした上司は、3~4時間も叱りつづけたという。少々“二重人格”にも見える山田氏だが、彼がそんな「2つの顔」を使い分けていた本当の狙いは何か――。その謎に、長年取材してきたライターが迫る。

たった1通のメールで営業部長がクビ寸前!

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山田昭男氏が創業した未来工業は、「社員が日本一幸せ」な楽園企業として有名。1日の就業時間は7時間15分で、残業禁止が原則。休みが日本一多いといわれ、5年ごとに会社負担で海外へ豪華社員旅行に行くなど、至れり尽くせりだ。

「とにかく社員を大切にすること」で有名だった山田氏だが、実は中間管理職にはめちゃくちゃ厳しかったことは、あまり知られていない。平社員に残業や休日出勤を強制したり、上司風を吹かせて部下を管理しようとした管理職は、部長クラスでも平気で3~4時間叱り続けたという。

実際に、たった1通のメールを全国の営業マンに出したことで山田氏から幹部会で長時間糾弾され、あわやクビ寸前だった営業部長と営業課長もいたほどだ。

その“二重人格”ぶりについて尋ねたところ、「身内の恥をさらすようだが」と断ったうえで、生前の山田氏は筆者にこう語った。

「ワシは創業から50年近く『管理するな!』と言い続けてきたが、少し気を許すと『部下を管理したがる上司』が出てくる。それだけ人間の『管理したがる本能』は凄まじい。だから、叱り続けるしかないんや」

とはいうものの、管理職が「自分の部下をある程度、管理する」のは仕事のひとつのように思える。なぜ、山田氏はそこまで「管理したがる上司」を忌み嫌ったのか?

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