北海道新幹線「低乗車率」には3つ誤解がある

「満席」には決してできない本当の事情

低いと言われる北海道新幹線の乗車率だが、逆に100%にはできない事情もある(撮影:今井康一)

北海道新幹線の開業から2週間あまり。初日の乗車率は61%だったが、3日目は31%で低迷しているとか、そもそも平日の予約率はガラガラだとか、といった報道がされているようだ。

確かに乗車率は向上しなくてはならない。だが、100%が理想かというと、必ずしもそうではないし、逆に100%にはできないという事情もある。それはともかく、とりあえず、現状の乗車率に関しては3つ誤解があるようだ。

観光シーズンにはまだ早い

1つ目は季節の問題だ。まず「開業効果があまり出ていない観光名所も」などという厳しい言われ方もしているのだが、緯度の高い函館地区はまだ「冬」だということが忘れられている。しかも、雪景色が非日常感につながる関東以南の観光客に取っては「雪もない」この時期は、全くの観光閑散期に当たるのだ。

だから、私のように仕事の関係もあって、既に東京~新函館北斗を2往復した人間はむしろ特殊だろう。新幹線が開業したからといって函館地域へ観光に行こうと検討している人も、多くは桜前線が道南に達するゴールデンウィーク以降を選ぶに違いない。その意味で、現時点での乗車率を問題にするのは酷と言えよう。

2つ目はもっと本質的な問題だ。北海道新幹線の「はやぶさ」というのは、仙台始発の1往復を除くと、定期便の10往復、繁忙期に設定されている臨時列車の3往復の13往復は全て「新函館北斗~東京」間の運転となっている。そして最も速達のタイプでも「大宮、仙台、盛岡、新青森」に停車する。

次ページ「はやぶさ」は東北への列車だ
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
本気になった富士フイルム<br>不正会計を機に大手術

「経営者に大事なことは、ピンチをチャンスに変えること」と語る古森重隆会長。富士ゼロックス海外子会社の不正会計発覚後、親会社の富士フイルムHDは関与を強め、出直しを図る。