東京電力の「社債市場復帰」は高いハードルだ

持ち株会社に移行も、経営安定化へ難題山積

一時国有化脱出の鍵を握る柏崎刈羽原発

東京電力グループは4月1日、業界に先駆けて、持ち株会社化および発送電分離に踏み切った。電力の小売り全面自由化がスタートしたこの日、持ち株会社「東京電力ホールディングス」および、燃料・火力発電、送配電、小売り販売の3子会社が発足。電力自由化の最終形態を先取りする形で、従来の地域独占に基づく発送電・販売の垂直一貫体制から、「各社がなりふり構わず個別最適を追求していく」(廣瀬直己・東京電力ホールディングス社長)体制への転換が宣言された。

これまで東電の電気の大半は火力などの発電部門が生産したうえで、東電の送配電網を経由して自社の販売部門から顧客へと供給されてきた。いわゆる垂直一貫体制といわれるビジネスモデルだ。だが、小売り全面自由化が始まったのを機に、燃料・火力発電、小売りなどの各子会社が自らの収益を最大化する方向にかじを切った。従来はライバル関係にあった業界他社との取引も子会社単位で拡大させていく。

子会社は個別最適の追求を目指す

前日の3月31日に経済産業省内で開かれた「第4回火力電源入札専門会合」。東電の大亀薫執行役員カスタマーサービス・カンパニー・バイスプレジデント(肩書きは当時。現在は新設された小売り会社・東京電力エナジーパートナーの副社長)は、「当社は発電設備を持たない。それゆえ販売競争に勝つためにも、グループであろうとなかろうと、安い電気を持つ企業から安定的に調達していきたい」と言い切った。

続いて石田昌幸執行役員フュエル&パワー・カンパニー・バイスプレジデント(肩書きは当時。現在は、燃料・火力発電子会社である東京電力フュエル&パワー副社長)も、「私どもは火力発電事業者として選ばれなければならない立場にある」と発言。そのうえで今後、火力発電の新設・リプレース(更新)を移管する中部電力との合弁会社JERAを「代弁する立場」として、「発電所建設の計画は具体化した段階からオープンに示していきたい。JERAからの電力購入を希望する事業者については、(グループ内外を問わず)差別的な取り扱いをしない方針で進めていきたい」と断言した。

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